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「これが余のメラゾーマだ」 どうぶつの国 4 雷句誠

2010年12月17日 20:10

どうぶつの国_4

どうぶつの国で唯一の人間かと思われていたタロウザ。タヌキに育てられた彼が初めて見た同じ種族の子供は、なんとライオンに育てられた女の子であった。
一度は戦った間柄であったが、今度はライオン少女・カプリに命の危機が訪れる。

生命の音を聞くアニマルファンタジー「どうぶつの国」4巻の感想です。

1~2巻の感想はこちらから。
3巻の感想はこちらから。

前巻から引き続きカプリとの話であり、草食動物と肉食動物の壁は越えられなかったものの一応の解決(というか、住み分けの線引きみたいなもの)がつけられる4巻です。
収録された4話中の3話がカプリ絡みなのですが、なんと巻末の話でびっくり仰天新たな人間の子供が。一体この世界には何人の人間が流されてきたのか。そして全員タロウザと同年代なのは何故なのか。

それよりも目下注目すべきは、遂に登場した人類の文明の象徴。
そう、"火"です。

以下、感想です。
カプリ姫の属するライオンの群れが、放浪ライオンに狙われている。
相手は大人の雄ライオン3匹。その実力は推して知るべし。
もしも戦って負ければ子ライオンは殺されてしまう。
ライオンの子殺しである。

カプリ姫は敵であるタロウザに、言外に助けを求める。
大人のライオンを相手にするという事はすなわち死を意味する。それでも、カプリ姫からのSOSを受け取ったタロウザは、立ち向かわずにはいられなかった。


と、言うわけで食物の問題とは別の、生存本能の問題です。
子殺しはライオンだけに見られる特徴ではなく、サルやイルカなどハーレムを作る多くの動物に見られる行為です。毛色は違いますが、ストレスや、「子供がさらわれる」という危機感で自ら子供を殺してしまう、という例もあります。

ライオンの場合は子供が死ぬ事で雌ライオンが排卵し、新しいボスの子供を産みやすくなるために行われる行為です。残酷ではありますが、そういうこと言うたらあかんわけですよ。本当は。

本作は漫画であり、フィクションですので、タロウザが子ライオン達を助け出します。

「ライオン同士で何をやってやがる!!?
 この生命をしっかりと見ろぉお!!!
 くだらないことで生命を奪おうとするなあぁあ!!!」


そういう知識がなければ迫力があって感動できるシーンなのでしょうが、自然の摂理として子殺しの事を知っていると「何を言ってるんだこいつは」と思ってしまいます。
この辺、雷句先生は分かった上で割り切って描いているのだと思います。
だから読む方も割り切って読むべきなのですが、なんだかなあ、と思ってしまうのです。タロウザが「嫌だ、厭だ」で我が儘を無理通しているようにしか見えないのです(個人の感想です)。

ただし考慮すべき点がありまして、タロウザの、人間の言葉で説得された時、新しい事を知覚した時、動物達の脳に電気が走る描写があるのです。
これはつまりどういうことか、と考えた時に、タロウザが「どうぶつの国」へと流されてきた意味を推し量ります。

以下、単なる妄想なのですが、実は「どうぶつの国」の世界は残りの寿命が少ないのではないか、と。天変地異か環境異常か分かりませんが、そう遠くない未来に滅んでしまう星なのではないでしょうか。
思いついた理由の一つは動物同士の縮尺です。最初は漫画なのでデフォルメして描いているのかと認識していましたが、やっぱりどう考えてもおかしい。そのせいで生態系が乱れまくってるんじゃなかろうか。
縮尺が乱れた原因が異常地場なのか汚染物質なのかは不明ですが、その原因と立ち向かうために、動物達を一丸にまとめる存在としてタロウザ達が選ばれ、流されてきたのではないでしょうか。もしくは、動物達の脳に新たな認識、知恵をもたらす事で世界を革新させ解決に導くのでは。

まあ、反対勢力もいる事ですし、妄想の域を出る事はないのですが。
人間の子供達が新しい生態系のバランサーとなる、って話だったら自分的には妥協が付くのです。あくまで地球とは何ら関係のない話ですし。

何はともあれカプリ姫との話はそこまでで一端区切りです。
クールぶってたイサヅメの食い意地張った愉快な一面も見られ、大変面白かったです。


そして話は変わり、新しい人間の子供が登場します。
タロウザを「この世界にいらねえぜ!!!」、「この世界にウソを持ち込むな」と吐き捨てて嫌う、オオカミに育てられた少年。
その名はジュウ。
「殺し食い合う」ことを楽しむ獣の少年です。

そして彼が武器として取り出したもの、それが"火"でした。

名前の「ジュウ」は最初に呼んだ時「獣」の音読みかと思いましたが、火で焼ける音とも認識できます。そう考えると、彼の髪型も「火」っぽい感じがします。
個人的にこの子の主張は共感できる部分があります(行き過ぎな感もありますが)。しかし眉なしでパンクな格好をしたこの少年は、見た目が明らかに「悪」です。

果たして"火"を持ち込んだこの少年が「どうぶつの国」の世界へ与える影響はどんなものなのか。
続く5巻に期待です。




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