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「桐山のアタマをかち割り氷(将棋味)」 3月のライオン 3~4 羽海野チカ

2010年11月27日 21:00

3月のライオン_33月のライオン_4

高校生にして将棋のプロである桐山零が苦悩しながらも色んな人達に助けられて生きていく物語。

将棋に生きる者達を描く「3月のライオン」3~4巻の感想です。

1~2巻の感想はこちらから。

5巻の感想を書こうと思ったらその前の感想を書いていませんでした。なんてこった。
おかげで3巻のほんわかした表紙と4巻の渋さ漂う島田八段の絵が並んでしまいました。おお、何という違和感。

しかしこの島田八段の登場は零にとって一つの救いでもあります。

以下、感想です。
3巻冒頭より風邪っぴきの話。風邪菌にやられた零が川本家に拉致られ強制的に看護を受けます。「家族」を意識した零はあかりの勧めにより久しぶりに養父と対話し、夢の中で母と妹に会いました。
養父母は良い人ですが、それでも家庭に恵まれていない零にとって、川本家の暖かさは染み渡るものであるようです。

一転して、一人の部屋に戻った時の寒々しさ。
それを忘れるために獅子王戦に挑む零ですが、初戦終了後に憎き相手・後藤と顔を合わせます。
対局中は残念美形の辻井九段や横溝七段のおかげでお気楽お笑いモードだったのに、盤外に出て一気に心の冷えるこの展開。さらに後藤から挑発を受け、もう彼の目には後藤しか映っていません。

後藤に辿り着くにはもう一勝。二回戦で島田八段に勝たなければなりません。
島田八段の棋譜をコピーし、盤と対面して勉強をする。掴み所のない苦手な相手だと判断しつつも、負けられない戦いに「冷静に」勝ちを狙う零。
ところが、いざ対戦すると局面はいつの間にか島田八段有利。あれよという間に形成は悪くなっていきます。

 まず感じたのは 衝撃
 ――そして 次に襲ってきたのは 嵐のような
「恥ずかしさ」だった


若気の至り全開で挑んだ零くん、遙か格上の相手を侮った報いをモロに受けました。

生意気にも思える零の態度に、しかし島田八段は悠然と胸を貸します。
後藤のことで頭がいっぱいの、ゴリゴリに凝り固まった零のアタマを、島田八段がかち割ってくれました。その後の彼の恥じらいと後悔はトラウマものです。きっと大人になってからも度々思い出しては悶え苦しむことでしょう。
しかしそれよりも注目すべきは、かち割られた瞬間の惚けた顔です。雪解けの春を突然迎えたかのように一気に画面は明るくなります。その場面を見た時「春だ」と感じたのは、大ゴマで書かれた島田八段の悠然とした態度や表情からでしょうか。それとも、冬眠していたかのように固まっていた零の意識が戻ってきたためでしょうか。

初めは弟弟子であり(自称)零のライバルである二階堂に頼まれてのことでしたが、すっかり島田八段自身も零のことが気になるようになった様子。獅子王戦挑戦者トーナメントの後、零を自分の研究会に誘います。

零のアタマをかち割ったのは島田八段一人ではありません。もう一人、担任の林田先生です。

「一人じゃどうにもならなくなったら
 誰かに頼れ
 ――でないと実は
 誰も
 お前にも
 頼れないんだ」


先生の言葉で零は「人に頼る」ことを学び、もしくは思いだし、島田八段の研究会へ入ることを決めました。

二人の大人が受け入れ、支えてくれたおかげでようやく零の将棋は「一人の将棋」で無くなったように思えます。人と向かい合う、二人の将棋に。


続く4巻。「三月の島田八段」です。
獅子王戦七番勝負。
挑むは名人・宗谷冬司。
年齢を感じさせない将棋の神様、もしくは悪魔。

島田八段は零のことを「宗谷にちょっと似てる」と評し、練習相手を頼みます。

確かに似たところはあります。
中学生でプロになり、オールラウンダーな戦法で直感を重視する打ち方。見た目の雰囲気もどことなく。
もっとも宗谷名人と零では棋士として天と地ほどの差があります。


獅子王戦期間中、夢で引退後の穏やかな暮らしを送る生活を見た島田八段。
痛む腹を押さえながらそれでも懸命に戦う島田八段。

「「生きてる」って
 気がするぜぇ」


どう見ても死亡フラグです。正直一矢報いて絶命するのかと思ってました。ごめんなさい島田八段。

島田八段の死闘を零は一番近くで見続けていました。最高に価値のある特等席です。
しかしそこから見えた風景は、吹き荒れる大嵐。
なのに何故戦い続けるのか。その答えは零にもいつか見付かるでしょうか。

話は5巻、獅子王戦の後日談へと続きます。

蛇足
香子義姉さんは魔女でございます。
逃げてー。




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