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「このホテルはまるで魔女を弔う墓標のようだ」 ヴォイニッチホテル 1 道満晴明

2010年11月24日 20:21

ヴォイニッチホテル_1

南国のホテルで素敵なバカンス。
ところが宿泊先のホテル・ヴォイニッチには変な人ばかりがいて……。

アッパーテンションな人間模様の群像劇「ヴォイニッチホテル」1巻の感想です。

作者の道満晴明先生といえば、アンソロジーや青年向けの漫画で活躍されている方です。シュールというか、エキセントリックというか、載ってる雑誌の傾向かも知れませんがシモネタも多めの作風です。かと思えばSF(すこしふしぎ)みたいな良質な短編も多く、良い意味で掴み所のない漫画家さんであります。
そんな作者公式ブログ「道満晴明の寓居」へはリンク先をクリック。

題名の「ヴォイニッチホテル」については、独特の文字(暗号らしい)で書かれた「ヴォイニッチ手稿」から取られたのでしょう。
連載開始が2006年なので4年越しでの単行本化です。そら絵柄も変わりますわな。
せめて掲載誌のヤングチャンピオン烈がもっと早いサイクルで刊行してくれれば……。


以下、感想です。
ワケありでブレフスキュ島に観光にやってきたクズキタイゾウ。予約したホテル・ヴォイニッチに到着するなり意識を失ってしまう。
出迎えてくれたのはメイド二人。支配人はマスクマン。
一本ぶっ飛んだ従業員達に宿泊客の面々。島民もなんだかおかしな人ばかり。

これはそんな島国の一部で繰り広げられる群像劇。


新しい宿泊客のクズキは一見すると単なる優男。その実背中に刺青入れたインテリヤクザのはぐれ者。組の金をちょろまかして逃亡中という中々刺激的な背景を持っています。
そして回想で現れるバアちゃんと、組のアニキ。

変わってるのは刺青が遊戯王カードかマジック:ザ・ギャザリングのノリになっていること。クズキのコカトリスの攻撃力74に比べてアニキのマンティコア1800&B+(耐魔法防御)って強すぎ。

物語の主軸は彼を中心に展開されるメイドのエレナとの話のようです。
島には「三人の母」と呼ばれる古い魔女伝説が残っており、その話も重要なキーポイントになっている様子。

・右目が義眼のメイド・エレナ
・ツギハギメイド・ベルナ
・マスクマンの支配人
・元拒食症でメンヘラな料理人・エミリア
・303号室のハッパのバイヤー三人娘・タマラ・ミーシャ・カリエ
・402号室の漫画家・ハラキ
・804号室の殺し屋・クロサワ(ホモ)
・少年探偵団
・殺し屋間宮姉妹
・殺人鬼スナーク
・殺人鬼を追う刑事達
・観覧車のお化け(ナッパとベジータ)

などなど、キャラクター多し。ちょい出のキャラも含めればもっと数は増えます。
それぞれがどこかおかしくてユニーク。

「爆裂魔法少女メルティ」みたいな「いいのかそれ」ってネタもあり、ハッパキメて一人でナニする潜入麻薬捜査官がいたり、妙に人間くさいキカイダーな刑事がいたり、中々に邪道なネタのオンパレード。
これが秋田書店の発行で良かった。集英社や小学館ではお蔵入りになっていたかも知れません。
デートに着ていく勝負服にデカデカと「安全日」と書かれているなど、正気の沙汰では及ばぬネタに出会えます。

クズキに恋して変わっていくエレナの様子も面白い。
ただのメイドかと思いきや、謎があったり使命に生きていたり。
でも女の子らしいところもあって、汚い自室を見られて慌てたり、デートに誘われてはしゃいだり、プレゼントをもらって喜んだり。クズキの好きなアイドルに吐くほど嫉妬してみたり、お子様体型にコンプレックスを持っていたり、高らかに「恋っていいよ!!」と宣言してみたりと可愛らしい。


何度も読み返してしまうほど面白くてはまる作品なのです。
が、一話一話のページ数が少なく、しかもヤングチャンピオンの増刊号に掲載ということもあり、刊行ペースがベラボーに長いです。
果たして2巻が出るのはいつの事やら……。

出来るだけ早く続きが出ることを祈ります。




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