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「筋肉をバカにするなっ!!」 学校の階段 6~8 櫂末高彰

2010年09月22日 23:15

学校の階段_s6

どうして廊下を走るのだろう。

行動原理を自己に問う「学校の階段」原作小説6~8巻の感想です。

漫画版1巻の感想はこちらから。
原作小説1~5巻の感想はこちらから。

前回に引き続き「学校の階段」に関する感想なのですが、6・7巻はそれまでと少し毛色の違う話になっています。
主人公・神庭幸宏が、それまで熱意を持って接してきた階段に突然魅力を感じなくなってしまうのです。そうした冷めた気持ちは他の部員にも伝わり、ならばいっそと部活を休むことに。
代わりに何をしていたかと言えば、帰国子女の編入生(悪女)にどっぷり嵌って犬扱いされる日々。

 早めに彼を落としてしまいましょう。こんなに面白そうな手駒は初めてだわ。入念に私の犬に仕立て上げて、色々遊んであげましょう。素晴らしいわね。


えらいこっちゃ。

以下、感想です。
5巻で波佐間勝一からライバル視され、新たな展開が始まります。
が、何故か幸宏は階段に対する熱意が冷めてしまい、部活動に身が入りません。
一人階段を掃除をしながら悩む中、一人の美少女に話しかけられます。

彼女の名前は御神楽あやめ。年齢は一つ上ですが、一年海外に行っていたため今年も一年生として編入してきた女の子。
悩める幸宏の姿を見つけ、親身に話を聞き、アドバイスをくれます。
幸宏も彼女に身を任せるのが心地よく、まんざらでもない様子。

あやめのアドバイスで吹っ切れた幸宏は部活も休止することにし、生徒会長として立候補するというあやめを応援しようと決めます。
が、彼女を知る現生徒会長の遊佐は、あやめは生徒会長として相応しくない、幸宏に生徒会長になってくれと直接依頼してきたのです。

「僕には無理ですっ。やりたくありませんっ。他の人を探してくださいっ」


はっきりと断り逃げ出す幸宏。
しかし、彼は内より湧き出る衝動から逃げることは出来ないのでした。


そんな訳で6~7巻は生徒会長選挙戦です。
前回の感想で6~8巻をまとめてVS波佐間勝一編と銘打っていましたが、勝一君は特訓に勤しんでいるためあまり出番がありません。代わりに出てくるのが、勝一の許嫁である御神楽あやめ。
また、選挙戦を繰り広げる裏では天才ラインメーカー・三枝による波佐間勝一の調査が続けられ、次第に天馬グループとの繋がり、そして黒翼の天使・天ヶ崎泉との因縁も紐解かれていきます。

着々と根回しを済ませ、生徒会長になるべく万全の準備を整えるあやめ。
そんなあやめに一時は腹を見せ服従した幸宏ですが、元々暴力的な衝動を抱えている彼は夜中に一人でキレはじめ、にこやかな笑顔であやめを裏切るという鬼畜ぶりを発揮。締め切りぎりぎりで駆け込み、生徒会長に立候補します。

7巻では選挙戦のメインとなる、幸宏とあやめの討論が繰り広げられます。
お昼休みを利用して、二人の討論を校内放送。
人心掌握術に長けたあやめと繰り広げられる舌戦は見物です。
誰しもがあやめの価値を疑わない雰囲気であり、役員のほとんどがあやめ派で締められ、クラスのほぼ全員までもがあやめを支持。
彼我の差は絶大であり幸宏の勝利は絶望的な中、対戦相手であるあやめの技術を吸収していき、イーブンにまで持ち直す様には舌を巻きます。

6巻時点では情けなく弱音を吐いていた幸宏が大番狂わせを起こして主人公の面目躍如と言ったところなのですが、最後の最後で力業でゴリ押しというのが神庭一族らしいです。従姉と同じ単純明快にして剛胆な性格が備わっていますね。


と、6~7巻は幸宏が悩んでもがいて戦う熱い展開なのですが、8巻ではまたちょっと毛色が変わります。
幸宏をライバル視する男・波佐間勝一と、遂に一対一の対決を行います。
勝一の背景は7巻までで少しずつ明らかになっていますが、8巻では勝一の視点で、彼自身から語られる物語となっています。

余裕綽々、泰然自若とした勝一がどのように育ち、悩み、今も苦悩する様がまざまざと見せられます。
これまでも時折その一端を垣間見せていましたが、勝一は取り繕ったポーズほどスマートには生きていませんでした。そんな息苦しい人生を変える切っ掛けとするため、幸宏との勝負に文字通り人生をかけて望むのです。

なんだか勝一を主人公と勘違いしてしまいそうなほど、勝一サイドの熱意が込められています。
そのため、4巻での三枝同様、8巻では勝一に感情移入し、彼の立場から読み進めてしまいます。

「……神庭君、君はこの前、『変えようと思えば、けっこう変えられる』と言ったよね。じゃあ、過去を変えることはできるかい?」



6~7巻は幸宏の、挫折からの復活を書いた物語でした。
そして8巻は勝一の、どん底から救われる物語です。
両者とも倒れるほどに全力で競い合った戦い。これもまた、青春を全力疾走で駆け抜けた物語でした。


しかし、完全燃焼で救われた勝一がいる一方で、幸宏には何か別のしこりが芽生えていたのです。
と、いうところで最後の9~10巻の感想へと続きます。







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