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「君のため心のままに髪殺し」 断裁分離のクライムエッジ 1~2 緋鍵龍彦

2010年09月06日 23:22

断裁分離のクライムエッジ_1断裁分離のクライムエッジ_2

子供の頃から女の子の髪を切るのが好きだった。
付いたあだ名は殺人鬼。
子供の頃から厭だったそれも、女王を守るためならば。

殺人鬼の子孫が、受け継がれた殺しの道具で殺し合う「断裁分離のクライムエッジ」1~2巻の感想です。

同作者による「唐傘の才媛」が完結したので、ついでと思って一緒に買ったのですが、思いがけずヒットでした。
殺人鬼の子孫である主人公・灰村切の倒錯的な思いが実に変態的です。中学生にしてこのマニアックの境地に達した彼は偉大であると言えましょう。裸なんてなんぼのもんですよ。

そんなマニアック中学生を描く作者様ホームページ「KEY FOLDER」へはリンク先をクリック。

以下、感想です。
林のとこのバス停奥、古くて白いお屋敷には髪の長い女の幽霊がいる。
たまたまバスを降り間違えた主人公・灰村切は、なんとなくそんな噂を思い出して確認しようとした。

そこにいたのは幽霊ではなく、呪いの髪を持つ女の子・武者小路祝。
彼女の髪は美しく、生まれたてのようで、しなやかなのに刃物を通さない切れない髪。
彼女は「髪の女王」と呼ばれる呪われた少女であった。

そして呪いがもう一つ。
殺人鬼の子孫達が、先祖の残した殺害遺品(キリンググッズ)を携えて、髪の女王を殺しに来る。
殺したものにはご褒美に、どんな願いも叶えられる。
殺せなければハイそれまでよ。子孫は殺人衝動で狂い死に。

ただ一人、女王に選ばれた殺人鬼・灰村切だけが彼女を守る。
襲い来る殺人鬼達に抗い、果たしてどれだけ生き延びられるか。


と、まあ、殺伐とした設定ながら、2巻現在で死者はあまりいません。特に女王の殺人鬼である灰村切は未だ不殺を保っています。
何せ彼はモノが違います。他のキリンググッズの権利者(オーナー)と違い殺人衝動はなく、「女の子の髪が切りたい」という倒錯した感情だけを持ち合わせていました。その衝動を受け入れてくれる代償(インステッド)もいないのに祝と出会うまでは抑えが効いていたようですし、いざ彼のハサミが戦いで血を吸っても正気を保っています。
先祖が殺人鬼のノーマ・グレイランド(作中の架空の人物?)であることも祝に出会うまで知らなかったようですし、健全な精神でピンピンしています。

注射器のオーナーが子供の頃に両親を殺し、ハンマーのオーナーが廃人になっていることから比べると大したことに思えます(ピアノと本とムチの所持者はまだよく判りませんが)。

ただ、健全と言ってもそれは日常生活においての話であり、その趣味嗜好は立派に変態です。
全裸の女の子を抱きしめておきながら、興奮するのは濡れた髪。女王の髪が呪いですぐ伸びることを知るや、ガッツポーズで「やった!!」と漏らす大馬鹿者。優しく髪を溶き梳かしながら恍惚の表情で息を荒げる真性の変態です。

ヒーローなのに殺人鬼。されどダークヒーローとは呼べず。
相応しい言葉は「変態」の2文字。
灰村切とはそういう男の子です。

守ると決めた祝を背に隠し殺人鬼の矢面に立つ姿は格好良いのですが、初めての殺人鬼・病院坂にはあっさりと敗北し、2巻でも敵のキリンググッズにより意識を奪われ操られるというていたらく。
時折凛々しく、大半が残念な少年ながら、そういうところが人間らしくて好感が持てます。


ところで、本作は「髪の女王」を殺して願いを叶える = キリンググッズの呪いから解放されるというのが目的の殺し合いのようですが、切の場合は既に目標達成しちゃってますよね。
祝の髪を殺し切り、自分は女の子の髪を切り続けられるという、既にヘブン状態。
そう考えると、代償のいる他のオーナー達も案外満足していそうなものなのですが、どうなのでしょうね(ピアノのオーナーとか)。
案外、このままオーナー同士の殺し合いなどなくなり、別の組織である醜聞(ゴシップ)潰しに話が移行していくのかも知れませんね。

2巻終盤ではムチのオーナーと対決中ですが、果たしてどのような結末が着くのか。
殺っちゃうのか、ちゃわないのか、はたまた本のオーナーに横取りされるのか。
3巻での話の落としどころに期待です。




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