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「もう大人なんだからしっかりしなさい」 メリーちゃんと羊 全6巻 竹田エリ

2010年04月03日 01:31

メリーちゃんと羊_1

早くに両親を亡くしたメリーは、叔父に引き取られ立派に育っていた。
料理はちょっと下手だけど、小学生らしく元気いっぱい、同級生とも恋をして、優しい叔父さんと一緒に普通の生活を送っていた。
しかし、我々の"普通"とは異なる点が一つ。
彼女を養う叔父さんは、羊だったのです。

動物と人間の親子が暮らす独特の世界「メリーちゃんと羊」全6巻の感想です。

有名なんだかマイナーなんだか良く分からない本作は、前述した通り独特の世界観で構築されており、人を惹き付けるファンタジーとなっています。
文明的には現代と変わらず、住んでいる惑星の名前も地球です。
しかし、この世界は隔世遺伝で動物と人間の遺伝子が交互に発現します。
メリーの場合、祖父母は人間、両親は羊、メリーは人間、将来メリーが子供を生めば羊の赤ちゃんが生まれる、という次第です。
また、言葉を話せず知能も動物のままという、我々の世界で言う一般的な"動物"も存在し、区別をつけるために動物系人間を"系人(言葉を話す知恵を持ち二足歩行する)"と読んで区別しています。
系人には様々な種類があり、大別すると動物系・鳥系・魚系・虫系に分かれます。これに人間系を加え、オリンピックの五輪として表現されたりもしています(メリー調べ)。

動物マンガでペットなどを擬人化し喋らせたりするアンソロジー作品とは一線を画する世界観です。
細かい所のツッコミはしたら負けです(卵で生まれた人系の子はへそがあるのか、とか)。楽しんだものが勝ち。

「叔父さんはどうして羊なの?」
「羊に生まれたから」

「メリーはどうして人間なんだ?」
「人間に生まれたから」

「何ら不思議はあるまい」
「そーかなあ…」


そうなんです。
ネタ的にはブラック路線が多いです。それでも殺伐としないのは世界観のおかげではなく、作者のセンスでしょう。

3年6冊の歴史があるため登場人物はたくさんいますが、主な登場人物として挙げられるのはメリーを中心とした4組の家族。

メリー一家
 叔父と姪の2人暮らし。動物(羊)系。
 基本的に常識人。周りに振り回される役割が多いが、マイペースなため周りを振り回す事も多い。

菅原一家
 父と息子の二人暮らし。魚系。
 息子とメリーが相思相愛。ただし付き合ってはおらず、周囲の障害も多い。
 父は作中屈指の迷惑人物。誰からも嫌われているが自覚が無いため始末に負えない。
 その分息子は常識人。無表情だが優等生タイプであるため人気は高い。

マイキー一家
 父と息子の二人暮らし。動物(ライオン)系。
 親子そろって馬鹿たれ。特に父親が酷い。職種は警官だが自堕落で怠け者、正義感に欠けるどうしようもない男。息子は慢性的な育児放棄を受けているが、こっそり会っている母親のおかげで事無きを得ている。母方のもとへ行かないのは、父一人では生きていけないことを理解しているため。

月花(ユエファ)一家
 父と娘の二人暮らし。動物(熊猫)系。
 父が自分の可愛さを売りにして悪どい商売をしている。というか完璧に犯罪者。
 割と初期から母親も一緒に暮らし始めることもあり、なんだかんだで親子三人は仲良し。
 父が中国(パンダ系)人、母がロシア(白熊系)人であるが、チャイナ服を着ていたり中国人ぽい話し方(語尾が「~ある」等)なのは日本人に対するサービス。

どの家庭も親がろくでもない(というよりろくな大人が居ない)ため、親子で登場する際は親の奇抜な行動に子供が振り回されるネタが多い。が、子供同士集まれば大人しいかというとそんなことはなく、しっかり親の影響を受けたろくでなしの集まり。脇役も含めてまともなキャラクターが皆無である(割と常識的なメリーや菅原息子ですらまともとは言い難い)ため、我々の常識はどんどん置いてけぼりにされてしまいます。
さらに独特の世界観によりは巻き起こる数々の予想外な出来事。親同士の捕食関係だってギャグになります。

例を抜き出そうと思ったのですが、説明が難しいので断念。
こればっかりは読んで感じてください。
ネタの対象になる動物の背景、というものもありますし、それが多種多様に渡るため短く簡単にまとめきれないのです。
逆に言えば、それだけの情報を4コマの内に詰み込んだ上で読み手を楽しませる良作。

4コマとして読みやすく、
ファンタジーとして魅力的で、
娯楽物として楽しめる。

正直これが6巻で完結してしまったのが残念です。
物語を続ける下地はあるのだから、今からでも連載再開しないかなー、と望んでいます。
丁度同作者の「とりどりことり」も完結したことですし。





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