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「咲いた鬼燈に真実を語る」 鬼燈の島 4 三部けい

2009年09月27日 23:59

鬼燈の島_4

全ての謎に決着をつけ子供と大人の戦いが終わる。
生き残りをかけた孤島ミステリー「鬼燈の島」最終4巻の感想です。

1,2巻の感想はこちらから。
3巻の感想はこちらから。

表紙を飾るのは幽霊少女。
元々は1巻・幽霊少女、2巻・初音、3巻・雪乃ときて最終巻を飾るのは夢になる予定だったそうですが、「単体だと画にならない」ということでお流れ。
黒地に浮かぶ幽霊の絵がホラー色を強めています。が、本作はミステリーですので、ホラーではないです。

問題なのはカバー裏表紙。
学園の隠し部屋に刻まれた無数の叫び「助けて」「やめて」「殺さないで」「死にたくない」「お母さん」。
その中央に一際濃く刻まれた文字。

「オレハ殺ッテナイ」

第二十三話のタイトルでもあるこの言葉。
まさか伏線になっているとは夢にも思いもしませんでした。

強引な解ではありましたが、それでも最後まで悟る事のなかった伏線の数々。
読み返すと「なるほど」と思える細かい描写。
正に傑作でした。

では、以下感想です。

疑心暗鬼に捕らわれた子供達が必至の抵抗を試みます。

リーダー格であったシュウがリタイアし、皆を守るため先頭に立ったココロ。
今までも仲間のために非道い事(対象は主に桑館)をしてきたココロですが、VS雪乃戦では際立っています。
窮鼠であるココロの目が尋常ではない。
また、「雪乃先生がシュウを殺した」現場を目撃しているため容赦なし。雪乃を踏み台にし、脅し、「嘘を吐いている」と決め付けて見捨てる。
妙に知恵もあり身体能力もそれなりなので始末に終えません。

ただ、人殺しはしない。誠実であろうとする。
彼を正常に保つのはシュウの人殺しを憎む言葉と、母に受けた仕打ち。
目の見えない夢、口の聞けない初音、過食症の太というハンデを背負いながら彼は良く闘いました。
最後には体力の限界を向かえ倒れてしまいましたが、4人は無事生き残り真実を手に入れることが出来ました。

最初から最後まで悪意を持って動いていたのは桑館ただ一人。
大人たちは子供と学園を守ろうとしていただけで、結局は自分達の中で恐怖を膨らませすぎただけ。
原因は子供達一人一人に内包されていました。

用意された解答は多少強引な気もしますが、その答えを導き出すための伏線は始めから提示されていました。
そんな訳で自分としては合点の行く結末。
むしろ最後までそれを気付かせずに展開させた物語の構成に感心するばかりです。


巻末には前巻同様増刊ヤングガンガンに掲載された外伝が1本。
雪乃先生の中学時代を描いた「ユキノ中学生」。
ノリが同作者の「菜々子さん的な日常」に近いですが、割と内容はヘビーです。
ただ、両親に注目されたいからって裸で食卓に着くのはどうかと。
ほぼ無関心な両親も内心ビックリしていたでしょうよ。
その後の布団に包まって一晩中悶える様はかわいいです。この娘も人並みに阿呆でした。


次回作もヤングガンガンで描く、取材日も既に決まっているという三部けい氏。
次は一体どのような物語を読ませてくれるのでしょうか。しっかりと取材を行う辺り、またもやシリアスな話になりそうです。
三部けい氏のシリアスストーリーは大好物ですが、軽いノリのお馬鹿な話も大好きなのです。

次回作の開始はいつになるのか。
今から大変楽しみです。




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