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「おジャンってなんやのん?」 大正野球娘。 1 神楽坂淳

2009年07月06日 23:59

大正野球娘_n1

小梅もてもて。

大正時代、男尊女卑の思想はびこる世情を背景に、乙女達が男相手に「野球をしましょう」と集まり訓練し作戦を立てるスポコン小説。
ただし、淑女の態度は乱さないこと。
「大正野球娘。」原作小説1巻の感想です。

アニメ化きっかけで読み始めた本作。
触れた順番は漫画版、アニメ版、原作小説版の順。

漫画版の感想はこちらから。この面白さはゆるぎなく本物です。

続いてアニメ版。絵柄が原作に近かったので話も原作準拠かな、と勝手に想像しておりました。原作も2巻でお嬢の許婚と決着をつけているので、キリも良いし。
しかしながら、1話を見た感じではどうもオリジナルの流れになりそうですね。
小梅が和装で学校に通っていたり、登場人物の性格が原作よりも柔らかく、大人しくかかれていました。また、男尊女卑の背景が比較的強く表に出ています。
わたしは原作至上主義ですので、映像化の際に演出が変わることを好まないのですが、まだ序盤。この先どのように転じるかは分かりません。

なんにせよ、アニメ1話目は面白かったです。特に冒頭で小梅の歌う「東京節(パイノパイノパイ)」が可愛らしくて大好きです。
実際に大正時代に流行ったコミックソングだそうで、当時の歌詞とは少々アレンジされているようですが、コミカルな動きにあわせて楽しく時代背景を説明するという90秒の素敵演出。
素晴らしいの一言です。
もう、これがオープニングで良いじゃないかと思わずにいられません。小梅しか出ないけど。

小梅可愛いよ、小梅。

では、ここからが原作小説の感想です。

長々書きましたが、ここまでは前振り。
とはいえ、漫画版が意外にも原作に準拠したお話だったので、感想に重複する部分もあります。

どちらが好みかと問われれば、わたしは漫画版と答えます。
基となるお話があるためか、節々のアレンジがとても良い味を出してるのです。また、原作ではさらっと進むところを強調していたり、よりよくはっちゃけさせてみたり。
例えばお嬢の許婚・岩崎荘介。原作では中盤まで顔も見せず、試合になるまで目立つところも無く、小梅の評価もいたって普通という目立たない坊主です。が、漫画の方ではお嬢が「野球でヘコませてやる!」と決意する経緯で粗忽な、迂闊な、調子に乗った彼の姿が描かれていて、肉付いた人格を我々読者に教えてくれます。
また、「川島式運動能力向上用具」や「人造投手・鉄腕男子」などの発明。しっかり原作から書かれているこれらの発明ですが、漫画版の川島乃枝にかかればお笑い要素の向上に一役も二役も買うハイテンションアイテムに早変わり。乃枝さん素敵すぎます。

と、ここまで漫画版のことばかり褒めちぎっていますが、原作が面白くないかといえば、もちろんそんなことは無いわけで。
面白いのですよ、これが。

王道を行くスポーツ物の展開です。
野球をしようと思い立ち。
チームを作るために人を集め。
協力者と資金を得て準備を整え。
学校側からの許可を得、周囲に認められ。
その間にも一に努力、二に努力。
そして1巻の内に、なんとか練習試合まで達成する。

正に王道ではないですか。

特に面白いと思わせるのが努力の過程。
作中でも指摘されていますが、蝶よ花よと育てられた体力の無い淑女達がまともな野球の練習をこなせるわけがありません。
はい、そこで乃枝さん考えた。
先の発明もそうですし、漫画版冒頭で話だけ出た人力車や、夏みかんを頭に載せ重心を覚えるなど、論理的に、また多角的視点で修練を積むことで総合的な地力を底上げしていきます。また、このことが「楽しんで事に当たる」つまりはやる気を出す効果に一役勝っているのです。
川島乃枝、恐ろしい娘。流石は科学に魂を売り渡した女史であります。


漫画版でも感じたことですが、本作の魅力の一つに「小梅」と言う存在が大きく関与しています。
出てくる人物は皆小梅が大好き。
事の発端こそお嬢の許婚との不和に始まるのですが、物語の中心にいるのは小梅です。
そんな彼女のポジションは捕手。
花形の投手はお嬢に任せ、小梅はチームの要を担当する女房役。
お嬢とは親友同士で、女学生の憧れ巴からは一方的にラブラブ光線を受けている小梅ですが、原作を読んで乃枝からも好意を持たれていることが発覚。あんたも好きねぇ。
巴繋がりで静かからは嫉妬の対象となり嫌われていますが、2人きりになった際にあっさり懐柔。天然はおそろしや。更に更に、巴を「お姉さま」と慕う下級生の胡蝶をもいつの間にか手懐けていました。2巻からより顕著になるのですが、この小梅のもてっぷりはどうでしょう。
男女の恋愛面でも、当のお嬢を差置いて引く手数多。許婚の三郎は言わずもがな。練習試合のきっかけとなる高原からの求婚は無視できない出来事です。

この作品は、小梅のハーレム状態を愛でる為の作品だったんだよ!


さて、ほぼ漫画化されている分の1巻について感想を書きましたが、本番の試合は2巻。
野球をするまでの過程が面白いのは分かって頂けたかと思います。
が、本番の試合についてはいかがでしょう。

次回、2巻の感想に続きます。


蛇足:
「おジャンでございます」
の「おジャン」てなんやのん。
アニメ見てて「はてな?」と感じたこの単語。なんとなくニュアンスは分かりますけどね。
以下、原作小説より。

「おジャン」というのは、もともと学習院での言葉で、授業が終わるときに鐘が鳴るのでそう言ったらしい。最近はどこの学校でもすっかり流行って、授業が終わると「おジャン」と言って拍手するようになっていた。

はぁー、良く調べていらっしゃる。
こういう間に挟まれた薀蓄も本作の魅力でござい。




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