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「色んな意味でパーフェクトだ!!」 鬼燈の島 3 三部けい

2009年05月23日 23:59

鬼燈の島_3

ヤングガンガンにて好評連載中の孤島ミステリー。
不信感と人死にを切っ掛けに大人対子供の生死をかけた戦いが始まった。果たして子供達は生きて島を出られるのか。
「鬼燈の島」3巻の発売です。

1,2巻の感想はこちらから。

レビュータイトル「色んな意味でパーフェクトだ!!」は、巻末に収録されたヤングガンガン増刊号での読切「クワダテ中学生」より、桑館少年の決め台詞。
お前は子供の頃からそんなんなんかい。
懲りない男、桑館。いまいち愛せないお馬鹿さん。

名前の通り「くわだてる」ことが好きなようですが、それにしちゃ行き当たりばったり。短気な性格も災いしての自滅っぷりが、もう、狙ってるとしか思えません。

シリアスストーリーの後にこのどうしようもない話が置かれたものだから、本編の深刻さがすっかり喰われてしまいました。
おそるべし桑館。
恐るべし中二病。

一方で本編の深刻さはえらいこっちゃの展開です。

のっけから強調される、島と幽霊、2つの謎。

園長を足止めすべく、坑道の中で一人立ち向かうシュウ。
頭の良い彼は坑道の違和感に気付く。

「ここは… 金山でも炭鉱でもないんじゃないか?
 一体ここは… なんの施設だ?」


更に、幽霊なんてものは信じていないシュウだが、坑道の中で女の声を聞く。
しばらく歩き続けるとそこには初音が。しかし、初音は口がきけない。
考えられるのはユキノ先生が坑道の中にいるということ。しかし、それは外にいるユキノ先生の姿を目の当たりにすることで否定された。
では、女の声は、誰のものなのか?

少女の幽霊にはシュウにより一つの答えが示唆されました。

「…そうか 分かったぞ…
 幽霊は 居ない」

4人の目撃したと話す幽霊はいずれも特徴が異なる。重なるところはあるものの、詳しく聞けば細かい点で異なる事に気付く。
最初に幽霊を見たといったのは、既に死んだノブであった。彼は園長の部屋で一度写真を見たと語った。
真偽の程は定かではない。

「髪が長くて白いワンピース……
 12歳ぐらいの女の子だよ」

ミスリードである可能性は否定できない。
かくれんぼの件からも言えるが、ノブは仲間はずれにされる事に不安を覚える性質であったように思う。虚言癖のあるリキの話に勢い加勢した感は否めない。
そして彼の発現を下地に、皆の頭にインプットされた「女の子の幽霊」の情報。
それを基に各々が想像した「女の子」。それこそが幽霊の正体であるという。

とどのつまり、幻視である。

なぜならば。シュウは続ける。彼らが女の子の幽霊に助けられた場面は、彼ら自身の知識で解決できる範疇から逸脱しないためである。打開策を求める心が、無意識に答えを示唆したものが女の子の幽霊なのだ。その姿は各々が求める答えを示してくれる、都合の良い幻覚でしかない。

力技の強い解ではあるが、彼らが全員心の病を患っていること、逃避行に精神を追い詰められ過多なストレスを受けている事に目を向ければ納得できなくも無い。

では。
と、続く。謎は終わらない。
声の問題である。
リキ、ユメ、シュウの3人が耳にした声は誰のものか?
それについても一応の解が用意されている。
島の地下は人口の通路や自然の洞窟が入り組んでおり、繋がっている。そのため、未だ見たことの無い"誰か"が居るのではないか。
あの、文字の部屋の子、とかが……。

未だ見ぬ"何者か"は居るのか居ないのか。
声に関しての推測は3つあると考える。
1.シュウの推測通り、"誰か"がいる。
2.実は初音は1人だと口をきける。
3.幻聴である。

シュウ自身も幻覚の説明をする際に「雨音が足音に聞こえる」と語っている。
幻視がありなら幻聴もありでしょう。

そして最後にもう一つ謎を残しました。
リーダーとして率先して動くシュウ。最前線に立ち囮役も買って出ることもあり、なにかと情報を得る立場に居ます。また、彼はとても頭が良いため、「合っているかはともかく」色々な想像を働かせます。
その彼がユキノ先生に対し口にした言葉。

『武器を捨てないと死ぬかもしれないよ』
「…… 今度は言ったぞ」

武器を持つものには何かが起こる。それは園長戦の時に学んだ何かの法則なのでしょう。
何故ならば、そのとき彼は女の子の幽霊を目にし、武器を捨てているから。つまり、無意識の内に「武器を持つと危険である」と判断した、という事。
そしてその通り、武器を持った園長は横殴りの衝撃を受け、息絶えました。
園長の杖は折れ、破損した部分はぼさぼさに。
坑道で園長に浴びせてしまった液体(酸?)を横から浴びたためでしょうか? これにはまだ解は無く、武器を持つこととの関連性も不明です。
が、ユキノ先生と対面したシュウは、木刀と一緒に崖から落ち、岩の上で血だらけ。


これまでリーダーとして先頭に立ってきたシュウはここでリタイア。
その代わりとして自ら立ち上がるココロ。

大人対子供。
舞台は追いかけっこから殺し合いに移ってしまいました。
数を減らす両者は、一体どこへ落ち着こうというのか。
謎は深まり、凄惨は極まり、ココロとユキノ先生が対峙して次巻へと続きます。
この緊迫の展開からは、もう目が離せません。

蛇足
そういえば、園長を閉じ込めようという時、ココロの耳には「じゃり」という"誰かもう1人"の足跡が聞こえていました。
誰でしょう。もしくは何でしょう。
11人目は存在する?

蛇足2
ココロ ← 見ちゃったひと
初音 ← 見られちゃったひと

何がかは読めば分かります。




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