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「副題は『子供』。子供達から見た大人」 惑星のさみだれ 7 水上悟志

2009年05月01日 23:59

惑星のさみだれ_7

表紙は副題である「子供」に相応しい組み合わせ、鶏の騎士・星川昴、亀の騎士・月代雪待、フクロウの騎士・茜太陽の少年少女3人組み。
九体目の泥人形・ボエドロミオンを打ち倒し、残るは3神骸と呼ばれる特別強力な泥人形。
冒頭よりフルカラーにて今までのあらすじ(トカゲの寝言)が語られる「惑星のさみだれ」7巻の発売です。

1~5巻の感想はこちらから。
6巻の感想はこちらから。

相変わらずトカゲがキモい本作ですが、そこをぶっちぎって注目を集めるのは著者近影でのコメント。
著者近影はいつも通りの、泥人形の頭部で始まる寸劇なのですが、コメントの方がビックリ。1年間幽体離脱の練習って、何を目指しているんだ水上悟志氏は。
え、3千万の借金って何のこと?

本当なんだかネタなんだか。
家でも買ったのかな。

7巻の副題は「子供」。内容は正に副題に沿った流れ。
カラスの騎士・東雲三日月の子供時代、兄に憧れ正面から挑み敗れた話。
昴と雪待の、師匠と共に過ごした日々。
茜太陽とその家族、そして11体目・マイマクテリオンの同情。

特に今巻で脚光を浴びたのはフクロウの騎士・茜太陽。
"前回"の戦闘にて獣の騎士団を裏切り、魔法使い側に付いたフクロウの騎士。今回は当初より"神の騎士"として1人アニムス側に付いている。
その茜が、雨宮・南雲と食事をした一件以来、ラーメン好きに。ちょくちょく同じラーメン屋を訪れるようになった茜。そこでたまたま出会った雨宮・雪待に「騎士の願いは何に使ったか」を訊ねる。
あまり人と馴れ合わない茜にしては珍しく、ロキに促されたとはいえ自分からコミュニケーションを取ろうとしている。また、逆に世話をしている泥人形・マイマクテリオンからは妙なところで同族意識を持たれ懐かれている様子。

「泥人形にも感情はある」

と言うマイマクテリオン。8体目・メタゲイトニオンが戦闘中いらつきを見せたように、9体目・ボエドロミオンが恐怖に怯んで見せたように。

「早く落ちるといいな ハンマー」

マイマクテリオンは茜太陽に優しい言葉をかけた。

魔法使いに味方する事で戦闘中は手加減され、死ぬ危険の無い茜。とはいえ、最後は地球ごとぶち壊そうとするアニムスをどこまで信用できるものか。
10体目・ピュアノプシオン"達"との戦闘で仲間と分断された際、迫った死に対し諦めの言葉を口にする。が、雪待の言葉に「生きたい」と望んでしまった茜。そして姿を見せる10体目。
そこへ現れたのは雨宮と三日月。

「ヒーロー参ッ上ォ!!」

かつて東雲半月から受け継いだ"大人の姿"を、次代の子供らへ伝える二人。
少年少女からは、その姿が確かに"大人の姿"に見えたことだろう。
特に茜にとっては、ピンチに駆けつけた雨宮は兄のように、叱咤してくれた雪待は姉のように思えたかもしれない。
その先を行く者の姿を目の当たりにし、茜は単身、最後のピュアノプシオンに闘いを挑み、勝利する。
目撃者は赤ん坊である弟。少年が"兄"になった瞬間であった。

戦いに臨む直前のロキの独白には胸を打たれるものがあった。
アニムスの味方ではない。
アニマの味方ではない。
ただ1人、茜太陽の味方であると涙し語るロキ。
彼の存在を、雨宮にとっての祖父のように感じた。

更に、戦いを経て彼を褒め称え、幻獣の三騎士である神鳥の力を授けたアニマ。
邪魔が入らぬよう騒音を遮断し、泥人形を倒しても責めず、むしろ讃えて騎士達に馴染めることを喜んだアニムス。
その真意は見えないものの、茜にとって味方する発言・行動であることは揺るぎ無い。

家族に恵まれなかった茜。
しかし、見渡せば存外、彼を心配し味方する人間は多い。
茜太陽は幸せになって良い。それを望む大人たちが周りにいるのだから。

7巻は「子供」という副題ながら、内容は「子供から見た大人の姿」と言い換えても差し支えない。
「子供」に含まれるのは弟。彼から見て「大人」は兄である茜太陽。先を行く者。力強き者。闘う者。
憧れの人。
弟の存在が今後、茜の救いとなることを願う。


そういえば、今巻で茜の特殊領域"因果乱流(パンドラ)"は時を掻き乱す力だと明かされました。
それは即ち、時間逆行。事実、茜は昴の足の怪我を「巻き戻し」て無かったことにしました。
ということは、アニムスだけでなく茜も時間を逆巻きに渡る力を持つ、ということ。
いまいち何を考えているか測れないアニムスですが、茜に時間逆行の力を与えたということは、意外と本気で"次回"の戦いへ茜を連れて行く気でいるようです。

茜といい、風巻といい、人間の仲間を求める魔法使い。
目的を果たし全知全能に成り得たとしても、共感する仲間がいなければ意味は無いか。
人を求めるその姿。アニムスもわりと「子供」のサイドに含まれるようです。




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