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スミレステッチ 山名沢湖

2009年02月04日 22:14

スミレステッチ

タイトルの「スミレステッチ」とは、甘ったるい詩歌を書く浪漫主義文学者、または彼らを揶揄して言う言葉である「星菫派」から来ている。星菫派のようなロマンティックな話を集めてステッチし(綴じ合わせ)たから「スミレステッチ」。
また、stitch(刺繍)と詩集をもじったもの。

少年エースやアワーズライト、コミックゼロサムにて掲載された乙女染みたお話を綴じ合わせたものが本作。それは以下の7つの乙女成分で構成されている。

第1話 ホシスミレ 【プリティー・ティータイム】
第2話 ホシスミレ 【チョコレート・フォークソング】
第3話 右足左足
第4話 つづく・しずく・しずか
第5話 メルヘン逃走
第6話 サルビアドレス
第7話 勇者レティシアの物語

特に1・2話の「ホシスミレ」は乙女成分を多分に使用した独特の不思議空間が形成されています。
有体に言うと魅力的です。


中でもお気に入り3本の感想です。

第1話 ホシスミレ 【プリティー・ティータイム】

星菫女学院なる物語に出てきそうないかにもな学院で、いかにもな制服に身を包んだ、いかにもな乙女達。
女の子ひとりあたりの乙女心の平均値を「1オトメ」とすると、星菫女学院の乙女心の総量はただ事ならぬエナジー。学校もパンパンになる程の乙女心が時に溢れ出し、「乙女チック☆怪事件」ひきおこす。

「生徒手帳57ページをご覧下さい

 星菫女学院 生活のしおり
    ――第二十五条


 怪現象はわが校の伝統
 あわてず騒がずうるわしく」

1話では無限に湧く紅茶がどこからともなく現れ、授業はいつの間にやらティーパーティーに。
たっぷり飲んで満足すると、一人の女生徒がティーカップに人型の紙を乗せ、くるくる回して遊園地ごっこ。するとどうでしょう、カップは見る見る大きくなり、実際人が乗れるほどに。遊園地さながら皆でくるくる、カップが消えてもまだくるくる、優雅に回るその姿はまるでバレリーナのよう。


第2話 ホシスミレ 【チョコレート・フォークソング】

通学途中に出会う名も知らぬ男の子に恋をした。
時はバレンタインデー。乙女まっしぐらの星菫女学園でももちろん話題はチョコレート一色。
そして来る2月14日、チョコレートの香りと乙女心が存分に高まったとき、校舎チョコ化現象が発生したのであった。

星菫女学院 生活のしおり
   第二百十四条


 校舎は むやみに 食べるべからず」

チョコを食べチョコに包まれ甘い香りを身に纏う乙女たち。通学路の彼も、そんな匂いに惹かれて彼女に声をかけ、目出度く意中の人にチョコを手渡し出来ましたとさ。


単行本書き下ろし含めて2話しかないのがもったいないくらい特徴的な本作。
お花畑の住人たちのような、とぼけた生徒達の織り成す浮かれた行動の数々。ぽわぽわっとした感じが実に乙女です。

「だから結局 乙女心って なに?
 なんて無粋な疑問はさておいて」

一読の価値はある良作です。


第6話 サルビアドレス

名前が草木の名前となっている本作、サルビアとは侍女の名前。
小さな国の小さなお城に住むライラック姫もそろそろお年頃。しかし舞い込む縁談をことごとく切り捨て、ライラック姫は来るべきチャンスを今か今かと待ち続けていた。
そしてようやく訪れた縁談。大国・フクシアからの昼食会へのお誘い。
ところが姫には着飾るためのドレスが無い。そこでサルビアは姫のため、城中から綺麗なものを集めて姫の質素なドレスを飾る。

姫とサルビア、2人の秘密。それは、子供の頃見た100年前のフクシア国王の肖像画に恋をしたこと。

姫とフクシアの王子は目出度く御成婚と相成りまして、侍女のサルビアは自分の初恋に別れを告げるのでした。

潔いサルビアも、本質を見抜くライラック姫も、そして人が良く真っ直ぐなフクシアの王子も、三者三様、皆立派。
面白い! と唸る作品ではないのですが、確実に心に残ります。
趣が有りて、いとおかし。そんなお話。


スッと始まってスッと終わる、良い意味で空気のような作品ばかりです。
ちょっとお馬鹿な人達が多いような気もしますけど。
懐かしの少女漫画。ロマンティックな星菫派の空気をどうぞ。





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