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花やしきの住人たち 2 桂明日香

2009年01月24日 23:29

花やしきの住人たち_2

聖花女子高等学校の女子寮、通称「花やしき」。行き場を無くした少年は女の園に振り回され、その中で恋心を見つけた。自分の好きな相手と、その人が好きな相手を。
桂明日香さんが送る青春ストーリー「花やしきの住人たち」2巻をご紹介。

1巻の感想はこちらから。

父親から女性像と言うものを聞かされていた主人公・桜安芸は、その理想像として「か弱く淑やかで思いやりのある、守るべきもの」と思っていた。
が、いざ女子寮に住み込んでみれば、凶暴凶悪、欲望に忠実、平気で人を騙し、裏切り、傷付ける。安芸の持つ理想像はあっという間に吹き飛ぶが、その中で彼は"守りたい人"を見つけたのであった。
が、危うげなその人には、既に意中の相手が居る事を悟る。

というのがざっくり1巻のあらすじ。
個性的な寮生達に振り回される安芸の姿が笑えるコメディーでした。

続く2巻はどうなるのか。発売済なのか。
気になって購入前に作者ホームページ[ad lib]を確認したところ、ギャラリーの中に気になる絵が。

花やしきの住人たち_2-2

2巻の扉にもなっている絵です。
少女2人が仲良く手を繋ぎ笑い合う、それだけの絵なのですが、一見して目を引く異質な部分が一箇所あります(赤○つけて拡大したとこ)。

コメディーだと思っていたら、なにか、おかしいのです。
以下、前巻に引き続きネタバレ全開でいきます。

冬休みも終わり、寮生達が戻ってきた折、芍薬寮長主催の野外パーティーが実施される。
夜の学校の屋上に忍び込み、大いに盛り上がる寮生達。しかし、あやめだけが一人離れた場所で本を読んでいる。その姿が気になり話しかける安芸に対して、蓮華を取られまいとする嫉妬心から、度胸試しを申し出るあやめ。
その内容は、夜の理科室へ行き、人体標本の写メを撮ってくること。安芸は平然と夜の校舎を歩くが、言い出した当人がお化け嫌いのため及び腰。その態度をネタに打ち解け、いい感じの雰囲気になる2人。しかし、安芸があやめを「放っておけない」と言った拍子にあやめが豹変。更に、蓮華から貰ったお守りがあやめだけでなく安芸も貰っている事を知り、暴走し始める。
安芸よりも度胸があることを証明すると言い、屋上の柵から身を乗り出し、そのまま消えるあやめ。

おや、この漫画はコメディーなんじゃなかったかしらん?
なにやら異質な空気が紛れ始めました。

結局、柵のすぐ下にもスペースがあり、そこへ降りただけであったあやめ。そんなあやめに激昂し、そのまま告白する安芸。2人を呼びに来た蓮華にその場面を見られ、蓮華はあやめに「絶交する」と叫んで立ち去る。

心の不安定なあやめは、蓮華に依存しているところがある。
そのため、安芸を好きな蓮華にそのような場面を見られ、酷く落ち込むあやめ。部屋に引き篭もり、自分の殻に閉じ篭ってしまう。
そして、あやめに依存している双子の弟・杜若は、その元凶が安芸にあるのではないかと、刃物を手に安芸の下へ詰問に向かう。
一方、あやめと話すため部屋を訪れる蓮華。あやめは他に好きな相手がいるので、安芸のことなどどうとも思っていないと答える。そして、恐る恐る、蓮華に思いを告白。蓮華はそれを反射的に拒絶してしまう。

転がり落ちるように壊れていく3人の関係。
元凶である安芸を殺しに訪れた杜若の口から、何故あやめがああなってしまったのか、原因となる中学時代の話が語られる。


おちゃらけた空気が完全に吹き飛びました。

過去、あやめはクラスの皆とも打ち解けあい、人のことも気遣える、全く普通の女の子でした。
一方、蓮華は「嘘を吐く子」としてハブられた怪談少女でした。
2人はクラスメートというだけで、元々は大して仲も良くなかったのです。

しかし、あやめの問題は家庭の中で静かに膨らみ、蓄積し、爆発する時を待っていたのでした。

「普通の少女」であるあやめが、段々と壊れていきます。
父親は過去に取り残されました。
母親は現実から目を背けました。
弟は父親に壊されていました。
だからあやめも壊れました。
そして、一家庭が全滅しました。

精神が病んでいく様は恐ろしさすら感じます。そして、心の荒みが肉体の傷へと変換されていきます。心も体も痛々しい。
そしてそこからあやめを救い出したのが蓮華。
だからあやめは蓮華に依存します。
蓮華は、わざとそのように仕向けました。恵庭あやめに「呪い」をかけて。
その後2人は学校の屋上で馬鹿のように踊ります。

ここまで読んで、漸く2巻表紙の笑い合う2人に繋がります。
パンチラ縞パンとか思った奴、ちょっとそこで腕立てしなさい。


話を聞き終え、改めて現在の状況を省みると、安芸が来てからあやめは独りになることが多くなっていました。蓮華とあやめの間に入り、彼女を孤立させていたのは他ならぬ安芸自身。
杜若は安芸に「花やしきを出て行け」と告げ去り、安芸は改めて突きつけられた事実に、彼女達のためにどうするべきかを考えます。
そんな時、祖父から、失踪中の父が見つかったと聞かされます。

遊び人の父。放蕩者の父。借金塗れの父。
見つかったと告げる祖父は深刻な表情で、その手には荒縄を握り締めていました。

「いいか 落ち着いて聞け
 安佐が――お前の父親が見つかった」

意味深な台詞。
つい深読みし、悪い想像ばかりが浮かびます。

続く3巻、最終巻のレビューは、また明日。





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