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侵略する少女と嘘の庭 清水マリコ

2009年01月15日 23:59

侵略する少女と嘘の庭

清水マリコさんが送る「嘘」三部作の三作目。少年は運命の相手を占う遊びで嘘を吐いた。現れたのは悪魔だった。「侵略する少女と嘘の庭」をご紹介。

「嘘」三部作も本作で完結。
三部作全てに皆勤賞である、一作目主人公・ヨシユキの父、川原ヨシオは本作でも登場。迷える少年を導きます。
また、同じ舞台で前作「君の嘘、伝説の君」から2年後という設定のためか、二作目主人公・浅井操も登場。

妖精、魔女ときて、本作のヒロインは「悪魔」。
美人だが裏表の無い率直な言動で周囲の人間関係をぶち壊す、キラー悪魔中山こと中山りあ。
タイトルにもある「侵略する少女」の名を冠するに相応しい言動で主人公・早川牧生に取り入り、幼馴染達との腐れ縁を断ち切ってくれました。

三部作最終巻は「嘘」シリーズと呼ぶに相応しく、冒頭から嘘だらけ。
そして、読了感には希望があります。

こっくりさんのような、運命の人を占う遊びが流行っていた。幼馴染である小暮琴美(こぐみ)と滝瀬唯から無理矢理誘われ、仕方なく付き合う早川牧生。適当にお茶を濁して有耶無耶にしてしまおうと考えた牧生は「動かしてない」と嘘をついて指を動かした。たまたま「裏庭」と読めたので3人で裏庭へ向かうと、そこにはキラー悪魔と恐れられる少女・中山りあがいた。
「ばかみたい」と断じて、かすれた笑い声を残しながら立ち去る中山。
そして彼女は牧生、こぐみ、唯に梶原裕貴を加えた幼馴染4人組の間に割り込み、その関係を不穏なものへと変えていく。
キラー悪魔が開催する中山伝説の幕開けであった。


冒頭から牧生が占いを有耶無耶にしようと嘘をついているが、「ある人に頼まれた」と占いを持ちかけたこぐみが先に嘘をついていた。中山は明け透けで裏表が無いが、人を使って嘘をつく。嘘を使って人を傷つける。

中山りあには、呪いがかかっている。人に親切にすると、皆不幸になるというふざけた呪いだ。
事情を聞けば、それはただの偶然に思える。しかし、偶然が重なれば真実にも思える。そして、中山はそれを呪いだと信じている。
その中山を救うきっかけは、牧生の小さな嘘。


キラー悪魔中山は言動が率直。面白い事は楽しみ、嬉しい事には喜び、初めての事には感激する。一方で嫌いなことは嫌いというし、やりたくないことはやらない。
また、人の親切には応じない、敵意を持つ相手には悪意を持って応じるという捻くれた面も持つ。
牧生と2人きりの時と、他人を相手にする時とでギャップがある。
そして、牧生はその差に満更でもなく、むしろ中山のことを可愛いと思っている。

読者側の意見を述べるならば、中山は可愛いです。牧生と同じ視点で、辛辣な中山、素直な中山の両面が見られるため、素直な面を目の当たりにするところっと参ります。
物語が進むに連れ、中山の家庭事情や不遇な身の上、悲しむ姿や弱った姿を目にし、どんどん感情移入していきます。
キラー悪魔恐るべし。

「嘘」三部作は巻を重ねるにつれ物語の完成度が上がっているように感じました。
物語的には前二作とも別個の独立した話なのですが、不思議と現実が内混ぜになった同じ趣を持っており、その三作目は集大成とも呼べる出来です。
一作目から順に読み進めて欲しい作品です。


さて、その清水マリコさんの新刊「脱獄する少女と罪の箱(仮)」がMF文庫Jから2月25日発売です。
タイトル末尾の(仮)がなかなか取れないけれど、そこまで含めてタイトルなのかしらん。
来月が楽しみです。





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