--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

君の嘘、伝説の君 清水マリコ

2009年01月14日 23:58

君の嘘、伝説の君

清水マリコさんが送る「嘘」三部作の二作目、クラスメートの女の子に「作文をください」と言われて始まる物語、「君の嘘、伝説の君」をご紹介。

一作目「嘘つきは妹にしておく」のレビューはこちらから。

一作目のレビューにて紹介しました清水マリコさん主催の劇団「少女童話」ですが、残念ながら現在は活動をお休みされているそうです。
その劇団、及び清水マリコさんのサイトはこちらの「少女童話 LoveMaskWorld」です。
MENUの「履歴&日記」から清水マリコさんのブログ「嘘つきは物書きにしておく」へもアクセスできます。

さて、一作目「嘘つきは妹にしておく」では物語の妖精が招くファンタジーでした。
転じて、二作目の本作「君の嘘、伝説の君」は魔女が導くリアルです。


女の子のような名前の少年・浅井操は、春休みの課題である読書感想文で捻くれた文章を書いた。新学期早々授業中に音読させられ、失笑を買う。次の休み時間、操は今年初めてクラスメートになった少女・神鳥智奈に「作文をください」と頼まれる。どうせ捨てるつもりであったので素直に譲り渡す操。
その翌日から、神鳥智奈は一度も登校していない。


もしも自分が同じ目に遭ったら。作文なんてユニークなものをねだられ、あげたは良いが翌日から登校拒否になんかなられたら。
そりゃもう、気になって仕方ありません。
主人公・浅井操も例に漏れず。自分の作文が原因なのか、何かしでかしてしまったのかと気にしだします。


不登校の智奈が気になり、彼女が住む団地へ何気なく足を運ぶ。人気の無い団地の傍の公園で、たまたま再開を果たした操と智奈。2人は公園で少し話をして、その後操は智奈の家へ誘われる。
それから、操は智奈の家を頻繁に訪れるようになる。

一方智奈が来なくなった学校生活では、操は友人の高見高広(美形)と共に、ハイテンション少女・斉藤るな(るなちー)&料理の得意な湧井戸ひな子(ひなちー)の話題にする「ウイッチウイルス」なる魔女の噂に引きずり込まれていく。

・母体は一人の魔女
・感染者はそのことに気付かない
・感染者の周囲には不幸が起きる
・ただし、感染者自身はむしろ幸福になる

街で偶然会った智奈の親戚・中木ミカは「深入りすると辛い目にあうかもよ」と脅しのような言葉を投げかけた。そのせいか、操は魔女の噂を聞いて真っ先に智奈の事を思い出した。
智奈の傍にいると、操は幸せな気持ちになる。
高見は部活中に怪我をした。るなは家に引き篭もり、ひな子はバイクに轢かれた。
ウイッチウイルスは、感染者が幸福であればあるほど周囲を不幸にする。そして、操は智奈と出会って幸福であった。


操はウイッチウイルスと魔女の存在を否定し、智奈を守るため噂の真相を暴こうと動きます。
一作目「嘘つきは妹にしておく」でヨシユキはすぐに妖精の存在を信じました。けれど、本作の操は頑なに魔女を否定します。物語のようなファンタジーではなく、彼の身近で起こった現実の事件。
ウイッチウイルスの噂はどこから出たのか。そこには誰のどんな意図があるのか。

そして本作にも「嘘」三部作の二作目として、作中に「嘘」が混じっています。
智奈を守る「嘘」と、智奈を連れ去り消してしまう「嘘」。智奈と正面から向き合い、彼女を救うために、操は嘘に立ち向かいます。

智奈と2人の世界は甘酸っぱい恋の話で、智奈から離れた世界は魔女の噂が飛び交うミステリアス。
ギャップのある2つの世界を行き来して、少年は真実を突き止めます。

中だるみする事の無い展開で一気に読み進めることが出来ました。
魔女というファンタジーな言葉が頻繁に登場するにもかかわらず、現実を見据える操の前にファンタジーが介入する余地はありません。ファンタジーとは創作であり、なんでもありな側面を持ちます。それを良しとしない本作は、その点で前作よりも物語として完成していると感じました。

人のエゴがところどころ描写されていますが、読了感はさっぱりしていてやや切ない。
休日前夜の寝る前に読んで欲しい一品です。





コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://questmys.blog64.fc2.com/tb.php/194-df3bfd0e
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。