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ぴよぴよキングダム 全3巻 木村航

2009年01月04日 22:13

ぴよぴよキングダム

「モリヤマ・ヒラク! これより貴様は我輩の従者であり、かつ領土である。貴様こそは、我が王国! 栄えある誉れのピックルス・ル・チュンチュン三世王国国民として、恥ずかしくない振る舞いを心がけよ!」

宇宙より飛来した眉毛の太いヒヨコ(?)に、領土呼ばわりされ頭の上に住まれてしまった男の話。そして長い旅路の果ての恋物語。「ぴよぴよキングダム」を御紹介。

作者の木村航さんといえば、代表作「ぺとぺとさん」が有名。PCゲームの開発会社・ライアーソフトでシナリオライターも手がけ、昨今ではTYPE-MOONに移籍、シナリオ執筆を続けられています(茗荷屋甚六名義)。
小説の方でも「串刺しヘルパー さされさん」「七本腕のジェシカ」や、最近では「ミラクルチロル44キロ」などを発表されています。

おっと、レビューを読んで興味を持たれた方も、今回ばかりは購入時慎重に検討なさってください。木村航さんの作品にはもれなく呪いがかかっています。本作でも例に漏れず。
1巻ではプッチンプリンの「ぷっちん」をしくじって型から出せなくなる確立が十パーセントも上昇します。2巻ではホットケーキをこげこげにしちゃう確率が四割り増し、3巻ではミルクティーにしようと用意した牛乳がヨーグルト化しちゃってる確率が九パーセントも上昇してしまいます。
おお、恐ろしい。
ただし、いずれも後書きだけ読んで買わなかった場合。買えば逆に祝福の特典があります。
まあ、素敵。


主人公は普通の高校生・森山拓と、銀河中枢部より恋の儀式のため訪れた鳥形宇宙人ピッチパッチの貴族・ピックルス・ル・チュンチュン三世(愛称はピックル)。
拓とは必ず相性が良いはず、との理由でその者を従者に、その体を領地にすると宣言したピックル。始めは面倒に巻き込まれるのを嫌がり、ピックルから売られた決闘に勝って己の自由を主張するが、そのあまりの弱さに同情し、一応、ピックルと共に在る事を了承する。
ピックルが恋する相手はピッチパッチのお姫様であるチュルリラ姫。その従者であり領地である磐座あかりには拓も少なからず意識するようになり、2人の恋は上手くいくかに見えた。
しかし、恋に障害は付き物。恋の儀式にはピックルだけでなく、ブランクという名門出身のライバルがいた(因みに領地は華小路克麿。いまいち目立たない)。
ブランクの介入により、拓は自分が持つ明かりへの想いがピックルの代理恋愛である事に気付く。そしてあかりはチュルリラ姫との「ビジネス」の結果として恋の儀式に参加していた。
そして、プライドの高いブランクは高圧的な方法で無理矢理あかリラ(あかり・チュルリラ姫)を手に入れようと画策するが、その裏には地球人達を奴隷とし、思考デバイスとして扱おうという歪んだ計画も企てられていた。

本作の特徴として上げられるのは、ピッチパッチ達高次元文明人が使う「リリッチ」と呼ばれる超能力。肉体の仮想化と三次元化、パートナーとの融合、その他、空を飛んだり光の剣を出したりする能力。特に融合によって見た目も変質した少年少女達が、空を飛び、ぶつかり合い、燃え上がる様はファンタジー小説としての魅力を遺憾なく発揮してくれます。

ピッチパッチが扱うこの能力ですが、磐座あかりは2巻終盤の時点で高次元文明人として開放されたため、単独使用が可能となります。そして高次元文明人あかりの誕生と共に宇宙のどこかに生まれた「あかりの王国」。
3巻ではあかりの王国と、海賊・キャプテン・ジュリアーノ(元はあかりの母親)に攫われたチュルリラ姫(+森山拓)を巡る争いへと発展。次元を飛び超えます。

これは恋物語であり、冒険活劇であり、成長譚でもあります。

今のところ木村航作品の中では一番好きな物語。
1巻では男のたぎる愛の叫びを聞き、2巻では迷子になった少女の進化を目の当たりにし、3巻で紡がれた二人のHAPPY END。

2005年の作品であるため、読了後大分時間が経っており、結構忘れている部分がありました。が、再読してやはり面白いと再認識。「ぺとぺとさん」が面白かったと言う人や、TYPE-MOON作品の「Girls' Works」の予習として、興味を持たれた方は手に取ってみては如何でしょう。





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