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不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界 西尾維新

2008年12月10日 23:59

不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界

下から読んでもNISIOISIN(西尾維新)氏の世界系4冊目。
前巻後書より
「中学三年生になった串中弔士が挑む、日常の謎ならぬ異常の謎、学園七不思議に関する事件です」
タイトルだけは総集編的なノリである「不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界」の発売です。

因みに中学三年生・串中弔士が主役ではないです。今巻後書より、「間違いだったようです。まったく大人は信用できませんね」
とはいえ、串中弔士が主要人物であることは間違いなく、ある意味主役です。
また、タイトルに世界系1冊目の「きみとぼくの壊れた世界」が入っていますが、そちらの主要人物である櫃内様刻と病院坂黒猫は出ません。黒猫さんは「猫目の彼女」として名前だけ登場。

世界系2冊目「不気味で素朴な囲われた世界」の直系続編であり、今回も病院坂迷路を探偵役に据え串中弔士と共に連続殺人事件に臨むという形式を取っています。
いえ、連続殺人事件を覗くという形式を取っています。

久しぶりに書きますが、本作を未読である、もしくはネタバレ御免だと言う方はしばらく待つので読み飛ばすか引き返してください。
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はい、ちょっと待ちました。
別にそこまでネタバレする気は無いのですが、念のため。

本巻でも相変わらずの串中弔士君です。ナチュラルに女装をこなす彼なので、最初表紙の人物はまた女装した彼なのかと思っていました。ラストまで読めば分かる事ですが、そういうところが「不気味で素朴な囲われた世界」を皮肉ったトリックになっているのですね。戯言シリーズ2作目「クビシメロマンチスト」以来、読了後に改めて表紙をまじまじ見てしまいました。
言われてみると、有りか。勝手な先入観を持っていましたが、色眼鏡無しで見るとセーフです。
(言ってる意味が分からない方は未読のためと思います。読めば分かりますから)

時系列的に「不気味で素朴な囲われた世界」よりも後の物語です。串中弔士を知る人物からは「変わらないな」と評される彼ですが、読了後には彼の内面的な成長も見て取れました。
あれを成長と言うのか。
老成といってもいいかもしれません。どこか達観した雰囲気。
むしろ、行詰り息詰まる、先の無いことへの諦めのようにも取れますが。
なんだか、しんみりしてしまいました。

色々と種を蒔き散らかしては育とうが朽ちようがどうでもいい、一つでも芽が出れば、その上花まで咲けば儲けもの、といったスタンスの彼ですが、それでも思うところはあるのですね。
中学一年生だった頃の、愉しんで事に臨んでいた彼はどこへやらです。

「夢は叶ったけれど、その叶えた夢の価値というものは、やはり叶えてみないとわからないのだ。」

とは、達成した後に虚しさを覚えた彼の言葉。
そして達成出来なかった時にも虚しさを覚える彼。彼は最後に落胆したのでしょうか。

「ぼくの人生は、くだらない」

そう思うほどには成長し、けれど相変わらず生きてるだけで迷惑な男、串中弔士。
流石は病院坂黒猫も認める「本物」です。


それにしても、ろり先輩(童野黒理)の再登場にびっくり。
彼女が串中弔士の身を案じて彼を訪ねたことにもびっくり。
前巻「きみとぼくが壊した世界」で

「ろり先輩はただ今、人間は処女のままでどこまで淫乱になれるかという実験中です」

などという鬼畜非人道的な実験の対象にされていた彼女。当初の嫌われっぷりからは想像もつかないほど手懐けられてしまったしまったようです。
(その実験はフィクションだろう、という突っ込みは無しの方向で。彼ならきっとやってくれている)


次で世界系シリーズもとうとう最後。3冊目が折り返しとあったので全6冊かと勝手に思ってましたが、全5冊でしたか。全国各地に散らばる病院坂一族は最終巻でわらわらと出てくるのでしょうか。親族会って形で集まればありでしょうが。

最終巻は病院坂黒猫の中学時代、「ぼくの世界」。
果たしてどのような予想外のラストで締めくくられるのか。
タイトルの「ぼく」が誰かを想像しつつ、最終巻に期待。





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