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蟲師 全10巻 漆原友紀

2008年11月25日 23:20

蟲師_10

和風文化と幻想的な世界で蠱惑的に人を惹き付ける不思議な物語。
「蟲師」最終10巻の発売です。

主人公が「最終兵器彼女」のシュウちゃんに似てるなと思って買い始めてから早9年。
こんなにはまるとは。
大変面白う御座いました。
漫画版も然ることながら、アニメ版のきれいな彩色や神秘的なEDにも魅せられました。

救いがあったりなかったり、物悲しかったり切なかったり、ほんのり幸せを感じたり喜びの涙を浮かべたり。感情豊かな本作は確かに名作です。読んでて良かった。

好きなエピソードは上げれば限が無いのですが、厳選してみました。

・緑の座(1巻1話目)
 記念すべき第1話。おばあちゃん可愛い。正直1話目にして蟲師中最高傑作だと思う。切なくて、幻想的で、緑が綺麗な作品。隔絶された山中に取り残された寂寥感も、2人になった喜びも、実に心に染みた1作。

・瞼の光(1巻4話目)
 「ふたつめの瞼」を閉じる、という表現が好き。スイとビキの無邪気な関係も、ビキに病気を移して酷く後悔するスイの苦悩も面白かった。なんと言っても救いがある話。

・筆の海(2巻2話目)
 先祖代々の使命に縛られ閉じ込められた少女を、蟲の封印には役に立たない珍妙な話で慰め、心を救う話。ギンコにもやっとこ色っぽい話が出たもんだと思ったがその後進展なし。ストーリーの裏で彼らの関係はどうなったのでしょうね。きっと変わらずなのだろうけど。

・雨がくる虹がたつ(2巻4話目)
 タイトルと同じく、橋大工の親父が口にする言葉「あめがくる あめがくる にじがたつ」が琴線に触れた。それを口にする時の親父の嬉しそうな顔ときたら、無邪気な子供そのもの。もう、それにしか目がいかない、他に何も見えていない感じ。それを探し当て、目にした息子が茫と口にした言葉「美しい……」。親子2代に渡る馬鹿の夢が果たされた、達成感を読了後感じた。

・海境より(3巻2話目)
 はぐれ者がふとした切っ掛けで村に打ち解ける話。そして、過去を吹っ切る事が出来た話。気持ちの誤解からすれ違ってしまったが、最後の瞬間に間に合う事が出来たことに意義がある。救いは無いが、未来がある。それに、嫁さん二人とも綺麗で羨ましい限り。

・山抱く衣(5巻3話目)
 画家になる。夢のために一心不乱になる男。成功すれば故郷が懐かしく、戻れば家も人もなく。一度高みまで上り詰めた男が深い悲しみ負って隠居し、残された子供の成長に幸せを見る。子供の前で嬉しそうに絵を描いてやる最後が、幸せの象徴のようでありました。

・天辺の糸(6巻1話目)
 茫っとしてる間に空に浮かんじまった暢気な嫁さんの話――では無いけれど、見えないけれどそこに"居る"想い人のために、周囲の奇異の目をものともせず、やがて添い遂げた感動話。誰かのために頑張る、というよりは、「貴方のために、当然のことを、当然のように」行った結果。一度失敗したことが大きかったと思う。後悔は人を育てますね。

・残り紅(9巻1話目)
 良いじいちゃんとばあちゃんの話。良く生き、良く年を経て、良く老いた。しかしその背後には神隠しによる入れ替わりがあり、ばあさんは自分の入れ替わりに犠牲にしてしまった女の子の事を悔いる。じいさんはそれを許し、ばあさんは幸福のまま死を迎える。そして取り残されたじいさんはかつて神隠しに会った女の子の身変わりとなり、次の物語が始まる。そうやって延々続いてきたのかと思うと、どこで連鎖の糸は切れるのだろうと、少々もの悲しくなる。

・常の樹(10巻2話目)
 捕食の為に与えた大樹の記憶。それを手にした人間は、普通の人から見たら神のように見えるのだろうか。言葉にするなら「大きな者」。その能力自体にも憧れるし、それを持つ者にも憧れる。また、大樹が自ら伐られる為に変質し、男にその記憶を残したのだから、土地の守り神として跡目を残したかったのかな、となんとなく考えた。

・香る闇(10巻3話目)
 同じ生を幾度となく繰り返す物語。どうも、こういうループ物って好き。繰り返す度に段々得られる新情報とか。最後には妻を助けるため自ら繰り返す輪の中へ戻った男だが、その時点で妻にも蟲が移ったのか、その前から妻も延々ループを繰り返していたのか。ただ機械的に繰り返す世界。ある意味完全で、ある意味終わってる世界。救いが無いです。


以上、好きな話10作を単行本収録順に上げてみました。
こうして振り返ると、初期の話は全部好きでした。
全10巻という区切りの良いところで惜しくも完結。

もっと読みたい、もっと聞きたい、もっと見たい。そういった希望に満ち満ちた中で終了する本作は間違いなく名作でしょう。続編を望まれるうちに終了を決めたのは英断だと思います。
ファンとしてはもちろんもっと読みたいんですけどね。

もっかい続きをアニメ化しないかなぁ。








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