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夜は短し歩けよ乙女 1~3 原作 森見登美彦/漫画 琴音らんまる

2008年11月21日 23:59

夜は短し歩けよ乙女_m1

原作感想から一日開きましたが、今回は漫画版「夜は短し歩けよ乙女」の感想です。
原作感想を未読の方はこちらもどうぞ。

はてさて、原作レビューの方でもちらと書きましたが、漫画版の乙女の容姿の、まあ可愛らしい事。

「可愛すぎる。これは問題である。しかしながら、可愛いことは良いことである」

とは第1集後書きとして寄せられた森見登美彦氏の言葉。
目は大きくてくりくりとしている、疑いを知らぬ純真な眼差し。短めの黒髪は艶やかに陽光を返す。背はやや低めか。姿勢良く背を伸ばし、歩く姿も座る姿も様になっている。
その彼女が、ことある毎に嬉しそうに笑うのである。好きな酒で喉を潤しては顔を赤らめにこりと微笑む。そして、不思議な事あらば胸を躍らせたり、阿呆のように口を開いてぽかんとする。時には困ったような顔をして大きな瞳をまんまるに開く。
ころころと移り変わる豊かな表情。そのどれもが愛らしい。
いやはや、然り、「可愛いことは良いことである」。実に良いことである。
そんな可愛らしさに触れて、陥落してしまった男がいる。

 好きな人が出来ました
 なんと愛らしい表情 愛らしい仕草
「これが…恋――!」
 なんと甘美な

世に言う一目惚れなるものに不意に出くわしてしまった先輩こと「私」は、彼女と良い関係になるため声をかけようとするのだが、思いと裏腹に体は動かず、なにやら名前も覚えてもらえないままストーカーよろしく彼女の姿を追いかけるのであった。

「私」頑張れ。
「私」超頑張れ。

かいつまんで言うと、そういう話。


主人公は先輩と呼ばれ慕われる(予定の)「私」である。
しかし、主役の座など第1集16頁6コマ目にて早くも剥がれ落ち、風に乗って黒髪の乙女のもとへと流れていった。
そういうわけで、主に乙女の純真な視点から物語は進む。

原作の小説は4話構成であった。
1話の「夜は短し歩けよ乙女」は第1集収録。
2話の「深海魚たち」は第2集収録。
3話の「御都合主義者かく語りき」は前半部分のみ第3集収録。後半は次回発売の第4集にて収録される。
そして4話の「魔風邪恋風邪」はまだ出ていない。

1集につき1話ずつ消化かと思いきやの分割収録。4、5集で完結と予測される。
その他、原作にないエピソードが共に収録されている。原作でも単行本未収録の外伝などがあるらしいので、それらや他作品を基にした話もあるのかもしれない。

漫画版の良いところは、先にも述べた可愛らしい乙女。そしてコミカルに動き回る登場人物たち。
原作が一人称視点にて語られるため作中人物の感情その他が詳細に語られる事は無いが、漫画版では感情豊かに表情を変え、行動し、これでもかと気持ちを伝えてくる。

「このマンガの成分は乙女と阿呆である」

とは、第2集後書きに寄せられた原作者の言葉。そして表情豊かな登場人物たちの動きは、原作に輪をかけて阿呆な物語を展開する。

また、文章で記されたものを読む際、非常識・非現実的な表現は伝わり難いものである。唐突に妄想だか幻覚だかも分からぬ不可思議な情景が描かれれば「なんじゃこりゃ」と読み返し、理解するのに時間がかかる。
一見すると現実の世界観に則して書かれている本作ではあるが、天狗を自称する樋口清太郎が空中に浮かぶシーンや、我慢比べ中に鍋から火吹きカエルやら大蛇やらを掴み出すシーンなど、不可思議な箇所がままある。
それらの突拍子も無い場面でも、絵にして見れば一目で理解できる。
ぱっと見の分かりやすさにおいて、視覚情報化することに勝るものは無い。

さらに、追加されたオリジナルエピソードの出来のよさ。
原作分は小説「夜は短し歩けよ乙女」のエピソードを忠実になぞり描いているのだが、琴音らんまるフィルターを通して可愛らしくコミカルに描かれている。それらと比べ、琴音らんまるさんオリジナルのエピソードが違和感なくマッチしており、「あれ、これ原作読んでないんだけど。単行本未収録なの?」と思わせてくれるほどである。
あちらこちらを散策中になにやら不思議な事態に足を踏み入れる乙女や、夢か現か分からぬ出来事を経験する「私」、樋口と羽貫の出会い編など、秀逸な物語たち。
これらは本当に原作ないのかしらん。もしくは小説でも読みたい。是非読みたい。


残すところ1冊ないし2冊ですか。
前回のレビューで「詳しい感想は漫画版の方で」とか書いておきながら、各話の感想書いてないや。まあいいか。

可愛らしい乙女の姿にほえほえしつつ、次巻に期待。





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