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夜は短し歩けよ乙女 森見登美彦

2008年11月19日 23:59

夜は短し恋せよ乙女

ようやく手に入れ、やっとこ読み終わりました。
琴音らんまるさんの漫画版ではないですよ。
森見登美彦氏の原作の方です。

漫画版の方は最新3巻まで既に読了済みだったのですが、「原作も知らずに感想なんて書けますかぃ!」との思いでレビューしておりませんでした。これでようやく漫画版もレビューできます。

タイトルは大正の名曲「ゴンドラの唄」の歌詞から。

  いのち短し 恋せよ乙女
  朱き唇 褪せぬ間に
  熱き血潮の 冷えぬ間に
  明日の月日は ないものを

  いのち短し 恋せよ乙女
  いざ手をとりて 彼(か)の舟に
  いざ燃ゆる頬を 君が頬に
  ここには誰れも 来ぬものを

  いのち短し 恋せよ乙女
  黒髪の色 褪せぬ間に
  心のほのお 消えぬ間に
  今日はふたたび 来ぬものを

主人公である「私(先輩)」が恋する黒髪の乙女は歌ほど情熱的では無いですね。夜を歩き散策する好奇心の塊のような、ゆったりした娘。
ただし、わたしの頭には既に漫画版の可愛らしい乙女のイメージがあるので、小説から入った人には違うイメージがあるのかも。
原作表紙だって裸足で夜道に立つ可愛らしい乙女の絵なのだから、そう差は無いと思うのですが、如何でしょう。

因みに漫画版しか読む気の無い人にはネタバレになるかもしれませんのでご注意を。
原作版も漫画版も未読という方には普通にネタバレです。

ネタバレ嫌いな方はこの記事を飛ばすか立ち去るべきです。
続きを読もうだなんて以ての外!
「夜は短し歩けよ乙女」は4編の物語を通じて「私」が乙女に恋焦がれる話。

1.夜は短し歩けよ乙女
 先に述べた「ゴンドラの唄」の歌詞より
2.深海魚たち
 タイトルの元ネタが分からなかった……
3.御都合主義者かく語りき
 ドイツの哲学者ニーチェの「ツァラトゥストラかく語りき」
4.魔風邪恋風邪
 「太郎冠者(たろかじゃ)次郎冠者(じろかじゃ)」らしい……。

2話と4話のタイトル元ネタが不明。4話はググったら見つけたんですが、検索先でも確認は出来て無いそうで。正確ではないです。


過去に読んだ「太陽の塔」、「四畳半神話大系」とは毛色の違う、素直な恋物語。大学生活を連れ合いと共に過ごし浮かれる者たちを唾棄すべきものと見ている点は相変わらず、それでも「私」は乙女への恋心を十二分に肯定し、全力で追い求めています。
また、「私」が語る際の男汁溢れた言葉使いから、乙女が語る際のなにやらほんわかとした緩やかな言葉使い(例えるなら「小さなお花畑」って感じ)への移り変わりと2面性が面白い。
「私」は乙女を追いかけているため2人が同じものを目にすることがままあるのですが、それに対する評価がまるで違う。
偏屈でへそ曲がりで賢しい「私」の語りと、素直で純真で疑う事を知らない乙女の語りと。


何度も言うように漫画から入ったのでどうしても比較してしまうのですが、原作を基に描いているエピソードについては忠実になぞらえていたのですね。
しかし、文章表現と漫画表現では魅せ方というものが違うわけで。視覚情報の多い漫画では何気なく描いてあった台詞が、原作ではなんとも重さのある言葉に感じられました。

「恥を知れ。しかるのち死ね。」

とか。


詳しい感想は漫画版の方でぼちぼち書いていこうかと思います。
ここで書いちゃうと漫画版で書くことなくなるし。

漫画版で興味が湧いた人は是非とも読んで頂きたいです。
ただ、原作はまだハードカバーしかないので文庫本出るまで待つのもありかと。





関連記事リンク
・「ななまる記」さん 「夜は短し歩けよ乙女」/森見登美彦
・「towaとcoco ~ゆっくり日記」さん かぜにごやうじん


コメント

  1. あさひ | URL | MMIYU.WA

    はじめまして。

    「深海魚たち」のタイトルの元ネタを検索していてたどり着きましたあさひと申します。

    まだこの本を読み切っていないので野暮なことを言ってたら申し訳ないのですが、「魔風邪恋風邪」の元ネタは小杉天外の「魔風恋風」ではないでしょうか?

  2. questmys | URL | SFo5/nok

    Re: はじめまして。

    > 「深海魚たち」のタイトルの元ネタを検索していてたどり着きましたあさひと申します。
    >
    > まだこの本を読み切っていないので野暮なことを言ってたら申し訳ないのですが、「魔風邪恋風邪」の元ネタは小杉天外の「魔風恋風」ではないでしょうか?

    情報提供ありがとうございます。
    少々調べました。

    「魔風恋風」:才色兼備の女学生・萩野初野と彼女に想いを寄せる男たちを描いた青春小説。明治の風俗絵巻として人気を博した。

    なるほど。確かにコレが元ネタかも知れません。
    今度書籍を探してみます。

  3. towa coco | URL | -

    はじめまして。towaと申します
    ググっていただいていましたページより参りました(汗

    元ネタのことを念頭になく、
    響きが面白いなあと、感想をつぶやいておりました。

    森見さんが、念頭においてらしたとしたら、
    おそらく、コメントされた方の作品だと思います。
    あらすじからしても…。

    ふわふわとした書き方で、まぎらわしい印象をあたえてしまって
    すみません。

    小杉天外氏の小説のこと、
    ぜひよんでみたく思いました。
    たのしみがふえました。それでは…。

  4. questmys | URL | -

    Re: タイトルなし

    > はじめまして。towaと申します
    > ググっていただいていましたページより参りました(汗
    きょ、恐縮でございます。
    towaさんの記事を、感想を書く際に参考とさせて頂きました(勝手に。ごめんなさい)。
    よもやウチの記事を読まれてコメントまで頂けるとは。
    すいませんでしたーm( _ _ )m。

    > 小杉天外氏の小説のこと、
    > ぜひよんでみたく思いました。
    > たのしみがふえました。それでは…。
    「魔風恋風」は探しておりますがまだ見つかっておりません。
    楽しみにして頂けることを嬉しく思います。
    頑張って探してみます。

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