--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

DUDS HUNT 筒井哲也

2008年11月17日 22:17

DUDS_HUNT

DUD:不発弾。駄目なもの。ぼろ。こわれた。
HUNT:狩る。
DUDSをHUNTするゲーム。その名の通りのDUDS HUNT。
役に立たない糞どもを、追い込み追い詰め狩り殺す。

WebComic公開から数年経ち、単行本発売を果たした大傑作です。
知らない人は作者である筒井哲也氏のホームページ「STUDIO221」をクリック。


ところどころでザッピングし移り変わる物語。

ナカニシは介護サービス会社ひなた生命で働くどこにでもいるようなサラリーマン。
しかし、昔はK坊の名で馳せた少年院上がりの人間であり、口うるさい上司にいらつきながら日々を過ごしていた。
そんな中、チャット仲間のエクサムに教えられたサイトで「DUDS HUNT」というゲームの存在を知る。
マーキーというプリペイド式携帯電話を奪い合い、その数に応じて賞金が支払われるといういかにも胡散臭いゲーム。そこには力づくで奪い取るという選択肢が当然のように存在し、ナカニシは次第にかつての暴力的な興奮を思い出し、ゲームにのめり込んでいくのであった。

ちひろは父親の事が大好きだった。不幸な事件により怪我を負ってしまった父を、手紙を書いて慰める少女。父親が元気になって戻って来れるよう、健気に頑張るちひろであったが、大黒柱の収入を失い、入院費用のかさむ家庭には金銭問題という現実がじわりじわりと迫っていた。

2人の物語が交差し、獣の牙は悪意を噛み砕くため顎を開く。


1話冒頭から、雨の中肩から血を流しうろつく男の姿。見るからに不良然とした彼が手に持つPDA(携帯情報端末)には「GAME OVER」の文字。

「マーキー…
 俺の… マーキー…」

途轍も無いインパクトに、初見で衝撃を受けました。

「DUDS HUNT」というゲームには以下のルールが存在する。
・いつ、どこで始まるかは不明
・支給されたマーキーに開始の連絡とホストアンテナ、終了時間が告げられゲームを開始する
・ホストアンテナから半径2Kmがゲームエリア
・マーキーが圏外になった時点で(2Km圏外へ出なくても)失格。賞金は支払われない
・PDAにより自分と参加者の(マーキーの)位置を調べられる
・奪ったマーキーの固有番号を自分のマーキーから報告する事でマーキーを得られる
・マーキー1つに付き10万が支払われる。賞金の対象には自分のマーキーも含まれる

また、「DUDS HUNT」が温い、物足りない、というプレイヤーに対して、「エクストラゲーム」が存在する。通常のゲームとは以下のルールが異なる。
・指定された場所・時間でゲームを行う
・マーキー1つに付き50万が支払われる。賞金の対象に自分のマーキーは含まれない


「8197番クリア」

事務的に告げ、金を得るために狩り、暴力の中に興奮と快楽を見出す。
少年院上がりのナカニシには、他に行くところが無いという歯止めがあった。しかし、「DUDS HUNT」を通じて解き放たれた暴力性は増長し、会社も辞め、見た目を派手に威圧的に固め、行き着いた先はより攻撃的な殺伐とした世界。
ナカニシは役に立たないDUDであり、DUDSを狩るのが「DUDS HUNT」である。

1話から、あの最後の戦いを想像できた者は何人いたろうか。想像が形になったとき、興奮を覚えた者が何人いたろうか。


ネタバレしたって暴力性とアクション性に興奮する作品ですが、どうせなら始めからその目で読んで欲しい。
「DUDS HUNT」は現在も作者ホームページにて無料公開中です。同単行本に収録された「多重夢」他数点の作品も無料公開中。

2007年5月公開の「コレクター」の後書きで商業誌向けの準備をしているとあるのですが、なんか出てましたっけ?
本当に新作が出るのか不安になりつつ、次回作に期待。





コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://questmys.blog64.fc2.com/tb.php/136-69af4793
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。