--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

トリコ 1 島袋光年

2008年11月04日 23:45

トリコ_1

「いただきます」に始まり、「ごちそうさまです」にて締める。

「この世の――すべての食材に感謝を込めて…」

例の無い美食漫画をいただきます。


週刊少年ジャンプにて大好評連載中、破壊的な味力を秘めた美食漫画「トリコ」。過去二回の読み切りを経ての連載、そしてコミックス2巻同時発売という快挙。

「世はグルメ時代――
 未開の味を探求する時代――」

美食漫画といえば、
風情のある古都の街並を、馴染みの者に連れられて、ぶらり立ち寄る古風な店で、出された蕎麦がまぁ美味い。
みたいな。

どっこい「トリコ」の手にかかりゃ、とある孤島の森の中で見つけた獲物をがぶり、むしゃり。

「うんーーめぇ~~ うめぇなヘビガエル!!」

風情も糞もあったもんじゃねえ。

だが。

喰いてぇ。


1巻のメニューは2つ。

1つはガララワニ。
その中でも特に、300年を越えて生きたと言われる、円熟した良質の「肉」。
爬虫類の肉はタンパク質が豊富で、鶏肉に近い味がするという。しかしこのガララワニの肉は各が別。宝石のようにキラキラと光る霜降りの肉が、口に含んだ者に「美味い」と言わせる恍惚の味。
トリコのフルコースメニューに加えられる事は無かったものの、一般人の我々には垂涎ものの食材である事は間違いない。

1つは虹の実。
果汁一滴が25メートルプール一杯の水を濃厚で芳醇なジュースに変えるという、とんでもない果汁濃度を持つ実。その香りと味は、猛獣に食われながらでも食べる事を止められないほどだという。
蒸発する果汁が虹を作り出し、すくえばプリンのようにやわらかく、しかしその質量は金のように重く。口に含めば瞳孔も開く驚愕の糖度、比類なき酸味が時折顔を見せ、甘栗のような香ばしさを放つ。のどもとすぎてなお放つ爆発的な存在感。
7つの味の変化を全身に染み渡らせ、涙と共に出る言葉は
「――ぅめぇ…」

喰いてぇ。
ガララワニの肉が。虹の実の果実が。
ストライプサーモンの刺身が、白銀タラバの味噌が、金色いくらの醤油漬けが、ベーコンの葉のバター焼きが、白毛シンデレラ牛のステーキが。

世に言うマンガ肉というものに齧り付く夢を持った人間がこの世にどれだけいるだろうか。それをこの世界の美食屋達はさも当然のように行うのだ。
狩り、締め上げ、その場で丸焼きにし、一番軟らかいところに歯を立てて、音を立てて食い千切る。それはどれほど美味かろうか。

撫でる様に繊細に、しなやかに調理した上品な味も美食と呼ぶだろう。
一方で、荒々しく、豪快に、荒塩だけで味付けした美食もあるだろう。
トリコは後者だ。
美味いものを喰いたい。本能が、トリコの喰い方を「美味そうだ」と判断する。
よだれが出る。

食を満たすための行為を魅せられ、余計に腹が減った感じ。
欲望が飢えに侵食される。

それでも島袋光年氏に言いたい。
「ごちそうさまです」


2巻感想に続く。





コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://questmys.blog64.fc2.com/tb.php/122-178e6e1e
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。