--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

戦国妖孤 1 水上悟志

2008年11月01日 23:13

戦国妖孤

ついこの間「惑星のさみだれ」6巻のレビューをしましたが、同じ作者が月刊コミックブレードにて掛け持ち連載中の「戦国妖孤」1巻がいつの間にか出てました。
おぅ、気付いてなかった!
雑誌連載1回目を読んだ後単行本待ちしていた作品なのですが、その後何の情報も仕入れてなかったのでスルーしてしまうところでした。
まだまだ書店に置いてあるので買い逃した方、水上悟志ファンの方は探してみては?

タイトル通り、戦国時代の話。闇(かたわら)の中でも"障怪(さわり)"と呼ばれる悪逆非道を断つ、勧善懲悪モノ。少年漫画と呼ぶに相応しいバトル漫画です。

すまん、ウソや。

戦国モノなのはタイトル通り。ただし水上悟志作品らしくちょいちょい捻くれた作品。「惑星のさみだれ」よりは「散人左道」や「百鬼町シリーズ」に近い雰囲気です。


主人公は二人組み。
妖孤・たまと仙道・迅火の義姉弟。
人呼んで「世直し姉弟」!
ただし作中2回しか出てきてない上に両方自称。

妖孤・たまは人間が大好きである。故に悪行撲滅に従事し、悪人相手に説法を解いて回る旅をしている。世直し姉弟の良心で争いごとには参加しない。見た目幼女なのでこちらの方が妹に見える。
たまに付き合わされ追従する迅火は、かつて「不死鳥殺し」と恐れられた仙道・黒月斎の弟子である。五行杖を武器に、符術を用いて戦う世直し姉弟の戦闘要員。戦闘時はたまの血を口にする事で「精霊転化」し、四尾の妖狐と化す。たまとは違い人間嫌いで闇が好き。

農民の出の浪人・兵頭真介は偶然目にした迅火の符術が気になり二人をつけていたが、ひょんなことから居合わせる事となった闇との戦闘時に驚異的な迅火の強さを知り、力を得るべく日常の傍らにある非日常に足を踏み入れる。
この真介と言う男、気は弱く腰抜けではあるが兜割りを出来るほど剣の腕はある。身の程知らずでお人好しだが、力を求める一点にかけては底が知れない。

「虐げられるのは弱いからだ
 弱い奴には生きてる価値なんかねえんだ
 だから強く偉くなりてえんだよ」

涙を流しながら吐く台詞に、農民生まれの彼の過去が見て取れる。
しかしながら、力を求め、力があれば何をしても許されるという歪んだ信念を持つ一方で、人間嫌いを自称し人を突き放そうとする迅火に対し「お前のようなガキ、怖くない」と傍らに居続ける事を選ぶ。また、危機に陥った際は命乞いの振りをして連れを逃がそうとするなど、真っ直ぐな性根の持ち主でもある。
これからも旅に同行する主要キャラとして、主人公である迅火を差し置いて化けそうな、興味のあるキャラである。


物語としては最初に書いたが「散人左道」世界観に近い。妖怪変化のことを闇の字に「かたわら」と充て、傍に在る者とするのは、「散人左道」の世界観で言う「隣人」ないし「おとなりさん」と同じだし、その中で人に仇なす者を「さわり」と称する部分も同じ。
また、明文化されていないが主人公の迅火は「妖精眼」の持ち主であり、左右の目の色が異なる(故に「妖精眼」の持ち主は双子で生まれるという設定も後ほど生きてくるものと推測)。
また、迅火は戦闘の際「精霊転化」を使い闇化するが、未完成の術であり完全に闇化することは出来ない。「散人左道」では似たような術で隣人と同調する「精霊憑依」、完全に隣人化する「精霊輪廻」がある。
そして個人的一押しキャラの兵頭真介が身の程知らずに夢を見た「斬妖剣」は「魔界斬妖剣・ドキドキ地獄編」という短編の中で使われている剣技である(ただし、使用者は不知火の一族であるため、開祖は真介ではないのかも)。


まだ1巻が発売されたばかりであり、物語的にはプロローグといったところ。
だが、迅火の心に潜む黒い部分や真介の歪んだ信念と、傷ついた心を慰め合う人間達といった善悪の対峙に加え、派手に動き回るバトルシーンなど、少年漫画的なノリに読んでいて心躍る。

刊行ペースは年2冊くらいでしょうか。
掛け持ち連載に「水上先生頑張って下さい」と応援しつつ、続巻に期待。





コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://questmys.blog64.fc2.com/tb.php/119-0f7f46ca
    この記事へのトラックバック



    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。