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あるいて一歩!! 全3巻 武田すん

2008年10月21日 23:54

あるいて一歩!!

メディアワークスより発行の完結作「あるいて一歩!!」
背表紙のDCマークを見て「ははぁ、電撃大王に載ってたのか」と思った貴方。甘いですね。
連載されていたのは電撃マ王です。
公式の書き方だと電撃「マ)王(「魔」の略字が標準でないので「マ)って表現になってる)。

西園寺住人は超が付くほどのエリート高校・私立日向峰学園のトップ。勉学の才能に恵まれ、難関校に特待生として招かれた誰もが羨む人物である。西園寺グループの御曹司とも噂される彼は、学園の敷地内(というかど真ん中)に立てられたアパートで学園生活を過ごしていた。
ところがそのアパートのオンボロな事。
アパートの大家さんは日向峰に通う女子高生・桜。事故死した両親の残してくれたアパートを一人切り盛りする彼女。西園寺はそんな彼女を好きになってしまったのだった。
コスプレチビに運動馬鹿、グータラ駄目教師といったハチャメチャな住人達に振り回されながらも、西園寺は勉学と大家さんのために毎日を頑張るのであった。

というとなんだかエリートが健気な貧乏少女に惚れ込んで美貌・才能・財力を使ってあらゆる物事をスマートに解決する漫画のように聞こえるが、どっこい貧乏なのは主人公西園寺の方。
昔から優秀であったが、木工職人の親の下貧乏暮らしをしてきた彼は、身分違いのエリート校で素性を隠しながら学園生活を送っていた。
スマートとは程遠い、お調子者で二枚目半で、決めるところで決まらない西園寺。恋愛事に疎く(というか間が悪い)、周囲に巻き込まれる彼の物語が始まるのは第3話、生徒会副会長・橘薫が出てきてから。

良家のお嬢様である橘は学園の景観及び風紀を乱すオンボロアパートを気に入らず、生徒会の議題にかけて何とか取り潰そうと画策する。しかし、そうなっては困るアパート住人達は彼女の弱みを握る事で取り潰しを辞めさせようとするのであった。
狙いは橘が一人深刻な顔で見つめる"何か"。
力づくで奪取を試みる面々だが、剣道歴十年の実力の前に返り討ちに遭う。そこで体育倉庫という手狭な場所へ誘い込み、物陰から彼女を羽交い絞めする事に成功するアパート住人達。
計画通り奪い取る事の出来た"何か"。それは、西園寺の写った一枚の写真。

「ばか」

涙目で呟き、走り去る橘。

こうして 橘 → 西園寺 → 大家さん の三角関係が始まったのであった。
橘と西園寺の(一方的な)関係を目の当たりにし、大家さんの中で育っていくもやもや。
途中までは橘からなんとか逃げ切ろうと目論んでいた西園寺だが、彼女の真剣な気持ちに応える事が出来ないため、遂に全校生徒の前で自分が西園寺財閥とは何の関係もないただの貧乏人であることを明かし、謝罪する。それでも橘は西園寺を諦めきれず、遂には嫌っていたオンボロアパートの一室を借り、大家さんに対抗心を燃やす。
橘薫というカンフル剤を得て、「あるいて一歩!!」の物語は加速する。

積極的に迫る橘。
それでも大家さんに一途な西園寺。
そして大家さんの中で育つ恋心。

既に完結した作品であるため、一気に読み終える事をお勧めする。


―蛇足―
大家さんの名前が分からないので読み返したが、2話目でとっくに自己紹介済みだった。
大家さんのフルネームは「大家桜」。
紛らわしいな!



螺子とランタン 桂明日香

2008年10月20日 23:58

螺子とランタン1螺子とランタン2

少年誌にて連載された少女漫画(っぽいもの)第2弾。
「BLOOD+」のコミック版や「ハニカム」の作者と言えばお分かりになるでしょうか。
分からない人はググろう。
ググるのが面倒な人はこちら
(桂明日香さんのホームページ[ad lib])

桂明日香さんのデビュー作にして傑作「螺子とランタン」をご紹介。
苦学生の家庭教師と侯爵家令嬢の心の交流を描いた物語です。
(カバー絵は2008年5月末より上図右に変更された様子)

スラム育ちだが、成長して実父である男爵の家に引き取られたニデル。学問に励み、持ち前の勤勉さから優秀な成績を残すが、その身の上故にスクールでの扱いは凄惨なものであった。
そこへ侯爵家令嬢・ココの語学講師として家庭教師に雇われた彼は、「学問で成り上がる」ことを目的に、ココを出世のため利用しようと目論む。
しかし実際侯爵家へと出向けば、教える相手は両親が事故で他界し、幼くして爵位を継いだ"女侯爵"。
親に甘えたい、まだまだ遊びたい盛りのココに対し、ニデルは心を乱し、不器用ながらつい甘やかしてしまうのであった。

ニデルはスラム育ちであることに劣等感を持っている。
ココは侯爵として振舞うことに自信がない。
大人と子供の差はあれど、二人はお互いの隙間を埋め合うようにして心を通わせていく。

傍目から見るとココが一方的にニデルに甘えているようにも見えるが、ニデルはニデルで確かにココのことを大切に思っている。
その二人の間に割り込んでくるのは、ニデルのスラム仲間で侯爵家の新米女給・ノラ。
そしてニデルの弟で男爵家正妻の長男・アーサー。

子供の頃からニデルを弟子扱いして引っ張りまわしてきたノラの登場により、ココは気が気でない。ニデルとノラには共有するたくさんの思い出があり、気安く慣れ親しむ二人を見てココは心取り乱すのであった。一方、ニデル大好きですっかり感情移入もし終わっているノラは、ぽっと出のココにニデルを取られたことで涙を流す。
そしてニデルに対抗するアーサーもまた、ニデルと同じく心臓の弱い己の体に劣等感を抱いていた。優秀で且つ健康な肉体を持ち、実父である男爵からも「爵位はニデルに継がせたい」と口にされている。その上でニデルに気遣われ、彼の劣等感は胸の奥まで染み渡っていた。何かにつけてニデルに因縁をつけ、対抗し妨害を企てるアーサー。


嫌われ役に甘んじるアーサーだが、嫌いになれる人物ではない。
憎まれ口しか叩かないものの、ニデルとココの仲が崩れそうになれば苦言の中に助言を混ぜる。自らの引き際を知り、周囲に憎まれたまま言い訳もせず潔く退場する。
さらに言えば、彼も物語の中で実らぬ恋に迷う一人であり、秘め続けるその態度に哀愁を覚える。
物語中で一番損な役割を与えられた彼を、憎めようはずもない。

もちろん、主要人物であるニデルとココの淡~い心の揺らぎこそこの物語の真骨頂である。
というか、無邪気なココが可愛い。
ニデルのために頑張って、褒められたら素直にうれしい。ニデルを人にとられれればやはり嫌な気持ちになる。ニデルになにかあれば心配する。
裏切られたと思って拒絶してしまうこともある。
それでも、最後に「大好き」な気持ちを捨てきれず、ココはニデルを抱きしめる。

子供らしくお馬鹿で、どこまでも邪気のない彼女に暗い悩みは払拭されてしまう。厳しい貴族社会の中に現れた清涼剤のような少女。彼女のおかげで、ニデルの心は救いを得た。それはココにとっても同様で、大切な人がいることで彼女は少しずつ成長していけるのだ。


蛇足かもしれないが、色眼鏡をかけて読み直すと、桂明日香作品は鍛え抜かれたフェチズムが醸し出されている気がする(それは英国ロマンスを描いた森薫さんの「エマ」とは別路線で)。
マニアックと言うか、一部の人の心を鷲掴むと言うか。しかもネタによって「一部」を指す方向が多岐に渡る。読んでいてニヤニヤ。そんな通好みのポイント満載。
一例としては、侯爵家の執事さん。
彼は寡黙で厳しく、冷静で優秀、隙がない。冷たい感じを読者に持たせる、典型的な"使用人"としての完璧な執事。
それは、風邪を引いたら紅茶にジャムを入れて気遣うような、自嘲に一言感想を応え心の傷に薬を塗るような。飴と鞭を使い分け、調整と矯正を加えるそのさり気無さ。そこまでを含めての、完璧な執事。


1冊完結の作品ながら、その1冊に桂明日香作品の魅力が凝縮されている1品。
心に残って読み返したくなる。
読み返してまた面白いと感じる。
正に傑作です。



でんせつの乙女 こがわみさき

2008年10月19日 23:50


少女漫画は好きだけど恥ずかしいから買えない。そんな成人男性は多いのです。
しかし、少年誌から出ている少女漫画風のものなら大丈夫。胸を張って堂々と買いましょう。
もちろん少女漫画を堂々と買っても良いのですが、少女漫画初心者はEASYモードから始めましょうね。

と、いうわけで出てくるのが漫画家・こがわみさきさんです。
スクウェア・エニックス販売の少年誌(ステンシルやGファンタジー。いや、ステンシルは少女漫画雑誌か?)でいくつかの短編、及びそれらの単行本を出されています。現在はガンガンパワードにて「陽だまりのピニュ」を好評連載中。

題:わたしとこがわみさき作品
として作文を書こうとしたら、出会い編として上げねばならぬのが表題の「でんせつの乙女」。単行本販売後、DNAコミックスとして新装版が発売されました。わたしが始めて触れたこがわみさき作品はこの新装版の方です。

「でんせつの乙女」はとある乙女を主軸とした4編からなる作品。主軸と言っても乙女がメインとなるのは第1話だけですが。

少女はひょんなことから冴えない芸人兄弟と知り合います。
要領は悪いが心優しい弟の太助は広場で一人夜を過ごす少女を見過ごせず、声をかけてしまいます。少女は恩返しとばかりに兄弟の芸を助け、今までにない程の盛況を見せました。
お礼ついでに少女を家に招いた兄弟ですが、少女は記憶喪失。しかし何故か家に帰りたがらないという厄介な問題を抱えておりました。
苦言を呈すのは面倒事を好まない兄の太一。
そんな折、孤児院での手伝い中に、子供を事故で亡くし養子を欲しがっている資産家の話を耳にします。
「これが少女のためだ」と弟を諭し、彼女を養子に出そうとする兄。その話を聞いていた少女も「いいよ」と了承するのでした。

普通の悲劇に聞こえるでしょ? これ、結末が予想の斜め上をいくんだぜ。


わたしはこの「でんせつの乙女」でこがわみさき作品に魅了されてしまいました。
メロメロです。
起承転結の中にシリアスもあり、コメディーもあるわけですが、そこにあるのはゲラゲラと笑う類のユーモアではなく、ニヤリ、もしくはニヤニヤとしてしまう穏やかな、緩やかな、優しい微笑みなのです。

1話目で乙女の伝説が始まり、
2話目でマネキンと迷える少女が心を通わし、
3話目で化け猫と狼男は出会い、別れる。
4話目で恋人の、兄弟の、あるいは家族の絆で人と人が繋がり、物語は乙女の伝説へと収束する。

ついでにコミックス書下ろしの番外編があり、化け猫と狼男はもう一度、乙女の下で出会います。そして生まれる新たな乙女伝説。うは、乙女かわいい。乙女の男気に惚れる。
さらにおまけで「銀座ぶらぶら踊り」の歌詞と振り付けもあります。

こがわみさき作品の起承転結は、そのまま人の心の移り変わりとなっています。
手にとって、読み終わって、ああ、面白かったと言える作品。読んで良かったと思える作品。
近くの古書店で見かけたら手にとって見てください。
1話読んだらいつの間にか買い終わってますから。
そしていつしか「こがわみさき」の名を探すようになり、既刊全部買い揃えてたりするのです。ふっふっふ。

物語はハッピー・エンドがいいね。



ヒャッコ ④ カトウハルアキ

2008年10月18日 23:19

限定版買い逃したー!
どこ行っても売ってなかったですよ。
ドラマCD付だったのに。
発売日に探し回ったのに。
まだ朝だったのに。

皆様、限定版、好きですか?
わたしは好きです。
限定版という言葉に踊らされます。「通常版」と「限定版」があったら大抵限定版に手が伸びます。限定版で出た商品に対して、ちょっと時期が過ぎてから通常版を見つけても新品では買えません。損した気分になるから。そのせいでkashmir氏の「百合星人ナオコサン」が買えてません。

でも買った。
公式サイトでも毎回読んでるのに待てなかった。10件探して見当たんなかったせいもあるけど。

と、いうことで、アニメ絶好調(?)の「ヒャッコ」4巻です。
まだアニメレビューは苦言が多い気がする……大丈夫。「ヒャッコ」は面白いよ。面白いから。
だからアニメも大丈夫。大丈夫なんだ!

ネタバレが御座います故、未読ないしネタバレ御免であらば早々に立ち去られよ。少々待ちます故。
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はい、ちょっと待ちました。

表紙は海で遊ぶメイン4人。カバーをめくるといつもの男組3人。
夏ですね。
ちょいと刊行時期はズレましたが、4巻は夏休み初日から終日までを描いております。

自分的には、アニメでもようやく出てきたバイ委員長・杏藤子々がたまりません。今回も兄共々イってくれてます。
24コメにて虎子に乗り移り歩巳の乳を揉みしだくネネ。
25コメにて試験前日兄のエロDVD見て--自主規制--するネネ。
26コメにて意図せず馬鹿を増長させるネネ。
29コメにて--自主規制--で鼻血ブーなネネ。そして続く名言。

「そうだ あとでフランクフルトを一緒に食べないか?」

あの流れでこの台詞はエロス溢れ過ぎだろう、と。
なんで好きかって言われると困るけど、ネネが好きだ。君はまるで僕ら(阿呆)の代表だ。性別女だけど。

さて、ネネばかりピックアップしても仕方が無い。
4巻は夏のお楽しみが盛りだくさん。
レジャープールに夏補習、だらけた毎日、田舎へ帰省。ホラーもあるよ。暑さに堪えて--自主規制--発言とか、浴衣で夏祭りとか、花火とか。同じく暇を持て余した同中の友達とも顔合わせすることもあり。そして最後は皆で集まって宿題消化!
青春や――ちょっと違うか。でも、学生生活だ。若い、嗚呼、若いな。

しかしなんですね。初めこそ嫌だ懐くな一人にしてくれと抵抗していた4人組みの一人・龍姫ですが、もうすっかりどこ行くも一緒。文句も言いません。そして抵抗役は文学少女・風茉莉冬馬へシフト。まるで龍姫の後を追うかのよう。雀のアレな被害にも遭ったし。これで龍姫はすっかり突っ込みポジションに落ち着けるわけですね。
龍姫さんは「ヒャッコ」に残る良心です。厳しめの。

ところで、最後の31コメは読んだこと無かったんですが、案の定公式ページでも未掲載の話でした。「連載最新話が単行本にもう載ってる」ってのは経験あるのですが、「連載より先に単行本で読みました」ってのは凄いな。
無料公開してるからできる諸行でしょうか。雑誌連載だと、それ目的で買ってる人は雑誌不要になってしまうし。
どうしてもアニメ放送序盤の内に出したかったんだなぁ。そして1冊丸まる夏休み、で区切りを付けたかったんだろうなぁ。切りが良いですものね。

ところでその2。
在学中、担任の住居なんて知ってました(もしくは知ってる)? 簡単に調べられるものなんでしょうか(電話番号くらいならともかく)。



らき☆すた ポケットとらべらーず 漫画:あかりりゅりゅ羽 原作:美水かがみ

2008年10月17日 23:33

書店で見かけてはいたものの、同人的な本かな~、なんて思って手を出さなかった本書ですが、いざ読んでみると面白かった。
あかりりゅりゅ羽氏が月刊コンプエースにて連載していたものを単行本化した本作。一話読みきりではなく、一貫したストーリ漫画となっておりました。描いているのもあかりりゅりゅ羽氏のみで、他の作家さんの漫画はありません。

あかりりゅりゅ羽氏は同人屋兼絵師さんで、失礼ながら、DNAコミックスでKANONかなんかの同人漫画描いてなかったかなーくらいの記憶しかなかったのですが、これが商業誌デビューとなるそうです。巻末でもおっしゃってますが、初単行本。自画像アイスクリームなんだ。

さすが商業、同人とは発行部数が違うぜ。一般書店にも新刊として並ぶぜ。な、本作。本家の4コマやたまにあるコマ割り漫画とはまた違う雰囲気ですが、こなたのオタクまっしぐらっぷりや我の通し方は違和感無く読めてしまいました。アニメ版とも違うけど、原作よりはアニメよりかな、と。

で、こっから先あらすじ書きますので、未読ないしネタバレ御免な方とはここらでさよならです。
ちょっと待つので飛ばすか引き戻すかしてくださいね。
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はい、ちょっと待ちました。

あらすじ。
みんなちみっちゃくなった。そんでポケットとかに入って秋葉行きます。
だから副題が「ポケットとらべらーず」。
衝撃的なとこではつかさが生き埋めになります。Tomakです(韓国製、生首少女の育成ゲーム)。
ほんでこなたはやっぱオタク。欲望に忠実。

ある日、かがみ、つかさ、みゆきの3人を巻き込んで秋葉に買い物へ出かけたこなた。その日のメインの戦利品は激レアフィギュア。余りの激レアっぷりに加え、原作のストーリーの展開から、主人公とヒロイン両方のフィギュアが揃うと願いが叶うと噂されるほど。そして、それが今こなた宅にて揃った!
しかし困った。二人を結ぶ重要パーツがなくなってしまった!
慌てるこなた。4人総出でパーツを探すが見つからず。そのうち疲れから眠気を誘われた4人。
翌日目が覚めると、4人はポケットに入れるほどの小人大になっていたのだった。

元に戻るためには一体どうすればいいのだろうか。
そんな課題はさておいて、まずは今日を生きるこなた。翌日も限定版ギャルゲが発売なのだとゆたかのポケットに入り秋葉へ繰り出すのであった。
突然現れた非日常にかけらも驚く様子のないこなた。騒いでいるのは周りだけ(かがみだけ?)。
「小人化? それがどうした。マイクローン化ぐらいゼントラーディもしとるわ!」くらいに気にしてない。どころかその状況を心の底から楽しんでいる。
そんな訳で、大事感はみじんもなく、あっけらかんのきゃっきゃうふふのらんらんらんと楽しげに進むストーリー。本当、周りも全然気にしてないし、むしろ受け入れてるし(みゆきのお母さんとか、言わずもがなのパティやひよりんも)。
ちょいちょい挟むオタクネタもらきすたらしさを助長しておるわぃ。おわんのお風呂で目玉親父とか、ガチャガチャの上半分被ってナウシカネタとか。
分かってらっしゃる!
としか言えないではないですか。

そしてやっぱりかがみはツンデレ。かがみがデレた時、全ての異変は解消する。
分かってらっしゃる!



みらいのあったかカップ 真島悦也

2008年10月16日 23:44

昨日に引き続き4コマ漫画。
昨日に引き続き父と娘の話。
サンデーGXにて「コイネコ」連載中の真島悦也氏が送るほんわか喫茶店4コマ漫画「みらいのあったかカップ」。
1冊完結です。
同じ4コマならまず「ちとせげっちゅ!!」を出せ、という突っ込みは受け付けておりません。

主人公は牧島未来。父一人娘一人の家庭で暮らすごく普通の小学3年生。ごく普通の喫茶店を経営するごく普通のパパさんに育てられた彼女ですが、普通ではないところが1つ。
彼女の淹れるコーヒーは驚くほど不味かったのです(遺伝)。

喫茶店として致命的なパパさんのコーヒーの不味さ。
店自体は有名。何故ならコーヒーが不味すぎるから。
けれどお店は閑古鳥。やっぱりコーヒーが不味いから。
それでもバイトは雇います。コーヒーうまそうに飲んでくれるから。

にがすっぱくて舌がしびれる劇物コーヒー。それでも飲めば暖まる。
あー、嘘ついた。友人のおばあちゃんに気付薬呼ばわりされるコーヒーなんか飲んで暖まれるか。
ケーキがうまいらしいんでそこでもってるんだろう、うん。

暖かいのはコーヒーでなく家族です。
憎めないお馬鹿さんはどうしてこうも愛されるのか。
パパさんは親馬鹿で登校中を尾行するほど娘を溺愛。死別した妻(幼馴染)には毎晩写真に話しかける。寒い日には着ぐるみで接客。飼い猫に対抗して娘の抱っこを迫り、妻の夢を叶えると言って女装もする。
絶好調! パパさん絶好調!

そんなおかしな父と、天然入った母とのハイブリッドが娘であるみらい。ツッコミ属性なので常識人ぽく見えますが彼女も半歩ほど完成ズレてます。
さらにそこへ加わるもう一人の幼馴染兼みらいの担任・京子先生。パパさんの性格を理解しコーヒーの不味さを知り破天荒な行動を見てもなお、パパさんを好きという先生。
血統と環境は完璧です。みらいの将来が心配すぎる。

マスターが変人で有名なお店。一度覗いてみてください。



ウワサのふたり 全3巻 小笠原朋子

2008年10月15日 22:45

4コマ漫画の良いところ。それは風化しない面白さ。
4コマ漫画の良いところ。好きに区切って読む軽さ。
4コマ漫画の良いところ。起承転結良いリズム。
4コマ漫画の良いところ。止むに止まれぬ面白さ。

4コマ漫画は廃れぬ文化。その中で毎度変わらぬ面白さを提供し続けるのが4コマ漫画家・小笠原朋子さん。
その作品の1つ「ウワサのふたり」をご紹介。


弓削誠は人気俳優である。仕事を終え家に帰ると、なんとそこには座敷童が!?
子供の名前は佐倉一花。誠と高校時代付き合っていた佐倉千花の娘だという。さらに誠のことを「パパ」と呼び、病死した母の遺言で父を尋ねてきたのだという。
半信半疑ながらも、行く当てのない一花を世話する誠。世間には伯父・姪の間柄と偽り、ふたりの同居生活が始まるのであった。

ちなみに、3話目から親馬鹿になります。


なんだかんだといって親子関係を認めてしまう誠。あっという間に自分の娘にめろめろになってしまう。一方で俳優業には真面目で直向き。人気俳優としてドラマに映画にと精を出す。
娘の一花はといえば、母との貧乏ふたり暮らしが長かったためか、父の誠よりもしっかりしている。大分利発なお子様で。けれど彼女も10才児、親に甘えたい時もある。母恋しさに泣きもする(演技)。

そしてそこにもう一人主要人物が。そう、お隣のおばさんである。旦那が単身赴任なので浮気する気満々なのだ。一花と同じ年の息子もいます。
嘘です。

もう一人の主要人物は、一花の担任・小島すず。眼鏡を外すと千花にそっくり。誠にとっては意中の相手、一花にとっては母のような人物。ところがTVを見ない彼女にとって、誠はだらしない伯父、一花は放っておけない生徒。

騒がしい周囲の中で、誠は隠し子というスキャンダルを抱えたまま俳優業を続けられるのか。一花は父と幸せに暮らせるのか。
なんて問題はなく、周りには結構ばれてるが一花の演技とかわいそうオーラで何とかなっちゃう毎日。


カバー裏には誠と一花の写真がべったり。幸せそうなふたり。親馬鹿っぷりも極まってます。
そして一花可愛い。誠が親馬鹿になるのも分かるし、何気に一花自身も父親好き。母からの刷り込み10年の成果とはいえ、仕事の関係で数日会えないと寂しくなって泣き出すくらいには好きなのです。
でも一花の本命はマネージャーの矢部祐一。半ばネタのような言い草だったが最後までラブ設定引っ張った。

4コマ漫画の良いところ。それはこの作品にも当てはまる。
連載終了から2年程経った今、古本屋にも出回ってるのでちょいと手にとって欲しい作品。
それで小笠原朋子さんの作風にはまって欲しい。
(4コマ漫画は単行本にならないものも多いので。ファンには切実なのですよ。切実なのですよ!)



マリア様がみてる 卒業前小景 今野緒雪

2008年10月14日 23:44

副題を見て、「もうこんなところまで来たんだなぁ」と物思いに耽る「マリア様がみてる」34冊目です。
次巻で現在の薔薇様方は卒業。その区切りの前の小休止といったところでしょうか。9編の物語を経て、卒業前の一日を紡いでいます。
その中で琴線に触れた部分をちょこちょことご紹介。

あ、ネタバレあるのでちょっと待ちます。未読の方は飛ばすか引き戻すかしてください。
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はい、ちょっと待ちました。


・お姉さまのラケット

巻数が進むに連れ影の薄くなる桂さんがメインの奇跡的一品。
不遇なキャラは愛されるのです。
なので桂さんは愛されるのです。

さて、この話では「いとしき歳月(後編)」で憧れの先輩から貰ったラケットを主軸にした話です。
普通の女の子である桂さんはいたって普通のミーハーなので、憧れの先輩から貰ったラケットを大切にしていました。しかし、部活動で使うことは出来ません。何故ならば、桂さんには卒業した先輩とは別に、ロザリオを受け取ったお姉さまがいたからです。
あとになってそのことが怖くなった桂さん。かつて黄薔薇革命でロザリオ突っ返したとは思えないほどの臆病振りです。それとも、そのことも心に残っているためでしょうか。
しかし、卒業前になり、自分の妹がお姉さまのラケットを譲り受け使用していることに気付き、因果応報に遭ったのだと悩み、後悔します。
けれどそれはお姉さまの優しさで、桂さんにも憧れの先輩から譲り受けたラケットを使って欲しい、との願いから起こした行為でした。その上、ラケットを桂さんに譲ってもらえるようお願いしたのもそのお姉さま自身であった、と告白。

なんて人の出来た方でしょう。
「ペンギン娘」風に言うなら"おばあちゃんの優しさ"(失礼!)。
かつて黄薔薇革命でロザリオ突っ返されたとはとても思えません。


・私とインタビュアー

美奈子さんはなんて憎めない人なのでしょう。
自分では完璧と思っている。けれど端から見ると抜けている。
「ちょ、危ない! そっち行くな!」と手を引いてやらねば見てられない感じ。妹の真美さんもそんな感じで接しているのではなかろうか。
その上運と悪運は強いため、なんかのさばっていく。
要所要所で現れては存在感を残していく。
そんな美奈子さんに卒業前のお礼参り。
天下の紅薔薇様が誘い出し、彼の黄薔薇様が待ち伏せる。伏兵に使うは美奈子のさんの味方であるはずの妹・真美。

お礼参り。そう、お礼に参ったのだ。
卒業前に、次なる薔薇達を助けてくれた、そのお礼。

言わぬが花。それが粋っていうものだ。

姐御肌とは思っていたが、なんと格好良い締めの言葉を残してくれたものか。
満足感の中、彼女の学園生活は締めくくられたのであった。
美奈子さんの出る話の中で、最高の一品でした。


・卒業集合写真

どことなく蔦子さんは一匹狼の感がある。笙子が妹になるまでは特に(妹じゃなくてまだ子分なんだっけ?)。
祐巳と共に行動し助言や情報を与える名脇役である彼女だが、フレームを挟んで一線を引いているようなところがあった。
部活の話になるとそれは顕著で、自分でも「先輩たちには嫌われている」と認識しているほど。
単騎学園を駆ける写真部エースはカメラだけを手に孤独と戦う戦士なのだ。嘘だけど。
最後には"私とインタビュアー"と同等のしてやられた感を与える本作。
厳しく接して来られたのは先輩達の(獅子のような)愛であり、武嶋蔦子はちゃんと皆に好かれていた。期待されていた。
生意気な後輩に、先輩達からの最後のプレゼント。
蔦子さん、大いに嫌がる。
締めの台詞はもちろん、

「ギャフン」

先輩達の気分になって、思わずほくそ笑んでしまった。


以上、メインキャラから離れたお気に入りの3品をご紹介。
部活を引退した後もしぶとく舞台退場を拒否した美奈子さんに感謝を。
そして満ち満ちたまま去り行く美奈子さんに惜別の念を。


これで卒業後も出てきたら面白すぎる。



つぶらら 全4巻 山名沢湖

2008年10月13日 21:43

新刊出たぜヤッホー! と浮かれて読んでたら完結してたコミックハイ!連載作「つぶらら」。
読み終わったとき「……あれ、終わった?」と不安になり読み返すと、タイトルに「最終話」の文字。終わってしまいましたか。終わっちゃったかー。

主人公・鈴置つぶらは女子にしては背が高く寡黙な性格であるが、アイドル大好きな普通の女子高生であった。しかし、黙っていても醸し出してしまう大物感が周囲を勝手に誤解させてしまう。
それはそれとして、トップアイドル・キャラ☆エンをこよなく愛するつぶらは持ち前の不運さ(というか、暴走するしタイミング悪い)から愛するキャラ☆エン(の番組)とすれ違う。それでもつららは諦めることなく、キャラ☆エンを見るために奮闘(そして暴走)するのだった。
言ってみれば本作は伝説。
鈴置つぶらの伝説を物語る話なのである。

かいつまむと、
・TV壊れる。キャラ☆エン視たさにクラスメートのDVDを(無断で)拝借、授業をサボって視聴。
・バイトしてTV購入。しかし遅刻、早弁、授業中の爆睡を堂々としてしまったため、「不良(ワル)」のレッテルを貼られる。
・体育祭でクラスの応援団長となる。キャラ☆エンのダンスで雨乞い。当日大活躍を果たすが中距離走で事故に遭い骨折(偶然おばあさんを助け、話題になる)。
・それを見た田舎事務所にスカウトされアイドルになる。

と、ここでようやく地方アイドル・辻村つららと組み、アイドルユニット「つぶらら」が誕生。打倒・キャラ☆エンを(周りが勝手に)目指し、奮闘することとなるのであった。


つぶらの目的は終始「キャラ☆エンを視たい!」という一点なので、彼女は己の欲望にただただ忠実に行動するのみである。しかし、何故だか周囲の思惑という流れが強く、望まぬ方向へ強制的に流されてしまう。
そして、一介の女子高生があれよあれよという間にアイドルとなり、TV出演、コンサートを開き、CDはオリコン8位にランキング。憧れのキャラ☆エンと共にステージに立つまでに至る。
一方で、あっさり解散してしまった「つぶらら」。つぶらは一般人に戻り、つららはキャラ☆エンの新規メンバーへ。
そしてつぶらは、次のキャラ☆エンのコンサートを客席から思いっきり楽しむため屋上でダンスの練習を続けるのであった。


周りの評価だけは高いつぶらだが、親しい一部の人間だけが知る通り、内実はちょっと抜けたお馬鹿さんなのである。
高い評価は勘違い。目的のために少々規律を無視するきらいのある彼女は自業自得と言わんばかりに不幸な目に遭う。なんだか憎めない、愛すべきお馬鹿さんなのである(周囲もなんかのんきだし)。
先にも述べた通り、本作は主人公・鈴置つぶらの伝説の物語であり、作者の穏やかな世界を紹介する話となっている。

完璧一般人に戻ってしまった後もう一盛り上がりあるかと期待していたけども、まぁ、あっさりと終わってしまった。潔い引き際に感心もし、もっと穏やかな世界観に浸っていたかった気もする良作でした。




とらドラ! 9 竹宮ゆゆこ

2008年10月12日 22:04

手乗りタイガーに触ると幸せになれる、と評判の毒舌系恋愛コメディー「とらドラ!」9巻の感想です。ついこの間8巻が出たような気がしますが、時が経つのは早い。僅か2ヶ月で続巻の登場です。
アニメも始まりまして絶好調の本作。
アニメ見てるけど小説・漫画は読んでない。
最新刊読んでないからネタバレはごめんだ。
そういう方はちょっと待つので飛ばすか引き戻すかしてください。
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はい、ちょっと待ちました。
続き物のレビューでネタバレ皆無なんて無理じゃ。

ネタバレ? あるよ。ありありよ。
やっちゃんは超能力者なんやでー! って設定、久々見た! 一行だけ。

さあ、レビューです。
前巻で遭難した大河を助け出す際、竜児を北村と勘違いした大河は「竜児のことが、好きなのよ」と漏らしてしまいます。実際助けたのは竜児で、その言葉を聞いてしまったのも竜児。そのことで悩み、授業中大河の名を叫んで起き上がるところから物語は始まります。

前巻で実乃梨のことを諦めた竜児。
大河の告白に心苦しめる竜児。
そして今回、新たに進学に対する問題が加わります。

周りが将来のことを考えていると知り、取り残された感に焦る竜児。母の泰子と進路について話そうとしますが、泰子はのん気に「がんばってべんきょ~しまんす!」と書けばOKと言うだけ。竜児を大学へ通わせ幸せな人生を歩ませたいと人並みに願う泰子だが、家計を預かる竜児には現実的に金銭が足りないということが分かっている。
問題を認識し、すぐさまバイトを入れ、学費を稼ごうとする泰子。しかし、無理が祟って倒れてしまう。
そのことに自分を責める竜児。
竜児は「母親のため」であり、「お金がないのだから仕方がない」と考え、就職を希望する。しかし、それは万人が「正解」だと認め後々いい訳が出来てしまうこと、本当はやりたい事など決まっていないことに竜児本人も気付いている。
それでも、竜児は自立するため、母を助けるためまずはバイトを始める。

親離れ子離れは世の常で、マザコンだった竜児には遅すぎる反抗期が訪れたわけだが、周囲のためも含め、自分のために成長しようとする竜児に素直に好感が持てた。そして、それをすぐ傍でフォローしようとする大河にも。
けれど、そのことを良しとしない者がいる。足を引っ張る者がいる。それは、他でもない母親の泰子。海外留学することは寂しいけれど我慢できるという泰子だが、竜児がバイトし、自らの決めた道(就職)に進もうとすることを否定する。それは作中述べられる彼女のエゴがためであり、今までのん気でずぼらでグータラでのほほんと暮らすだけの駄目な母親、という泰子像から、一気に現実の母親まで引き落としてくれる。
竜児自身も、今まで母親に抵抗したことがなかった。自身をマザコンと称し、母の言葉に大人しく従ってきた。勉強を頑張り、バイトはせず、家事の面で母子家庭を内からサポートする。

「お母さんが死んじゃったらどうしよう」

そんな恐怖が、竜児を母親の言うことを聞く「良い子」にしていた。その想像が恐ろしくて、不安で、逆らうことを許さなかった。
しかし、現実に倒れた母を目の当たりにし、漸く恐怖を逃れ、逆に母を安心させたいと望んだ。
けれどそれを母親自身に阻害され、無駄を悟り、遂に直接衝突してしまったとき、幸せの魔法は解けてしまった。竜児は決定的な一言を口にしてしまったし、泰子はその言葉を聞いて顔面蒼白、崩れ落ちてしまった。


これは……次で最終巻かなぁ。
進学で悩む裏で、実乃梨との恋は完全決着し、大河とはなんだかうまくいきそうな感じです。大河サイドの問題は全然レビューしてないけど。
物語は加速しました。
ラスト、盛大なゴールを決めて欲しい。

*)言い訳一個。
  レビュー文中で「幸せの魔法」とか書いたけど、
  本当は泰子の超能力に引っ掛けたかった。
  1巻読み返したらテレポートしか使えないのか。
  うぅ、残念。