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「吉野彼方は言う」セイジャの式日 柴村仁

2010年05月10日 04:10

セイジャの式日

不器用な人たちの不恰好な恋の物語も最終章。遥か彼方へ旅立ちの時。
「セイジャの式日」の感想です。

1作目「プシュケの涙」の感想はこちらから。
2作目「ハイドラの告白」の感想はこちらから。

「プシュケの涙」の続編として2ヶ月連続刊行されたうちの後の方です。先んじて「ハイドラの告白」を読んでいないと分からない部分もあります。
「ハイドラの告白」はアタカ編、
「セイジャの式日」はカナタ編
といった感じ。

今回のタイトルですが、これに関しては神話などは関係なく、読んだイメージで「生きているものがしがらみから卒業する」という印象を受けました。漢字を充てるなら「生者の式日」。

2作目「ハイドラの告白」が1作目「プシュケの涙」と比較して後味の良い仕上がりだったのに対し、こちらは「う、来たぞ!」と思わせるやるせなさと切なさを備えています。
ただし、一冊すべて読みきると少しだけ「良かった」と想います。
ハルさんの「前向きに諦める」姿勢が継がれ、カナタの心残りが払われました。
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「俺は、平気なフリなんかしていない」 ハイドラの告白 柴村仁

2010年05月08日 22:26

ハイドラの告白

切ない想いの残り火に魂を焦がす、不器用な恋物語。心に傷を残す物語「プシュケの涙」の続編、「ハイドラの告白」の感想です。

1作目「プシュケの涙」の感想はこちらから。

電撃文庫として発表された著作「プシュケの涙」が、大人も読めるライトノベルのメディアワークス文庫より再版され、この度続刊が刊行されました。
2ヶ月連続で世に出たのは「ハイドラの告白」と「セイジャの式日」。

タイトルのハイドラとは、1作目と同じくギリシャ神話で考えるなら9つ首の化物・ヒュドラ。クトゥルー神話で考えるなら「父なるダゴン、母なるハイドラ」とあり、ダゴン(神)の配偶者となります。
これは何故かモテるダメ男・布施正道と彼の周囲に集まる女性達の異質な愛を表しているのでしょう。
また、舞台となった梅雨時の6月、紫陽花(ハイドランジア)に掛けているものと思われます。

雨降る6月に語られる異形の告白。

――それでも私は、あなたが欲しい。

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ぜふぁがるど 柴村仁

2009年01月16日 23:28

ぜふぁがるど

幼馴染は異世界のお姫様。なんて突拍子も無い事実を隠し、ヒーローはヒロインを守る。異世界から来た空飛ぶトカゲから力を授かり、少年は変身する。柴村仁さんが送るおとぼけヒーロー噺「ぜふぁがるど」1巻をご紹介。

電撃文庫で変身ヒーローといえば真っ先に阿智太郎氏のドッコイダー@「住めば都のコスモス荘」を思い出します。
ですが、同じおとぼけヒーローの括りとはいえ、ゼファガルドは眉毛の生えた青い奴とは異なり、エイリアンチックな容姿をしています。

物語としてはヒーローになる→始めての戦い→初めての敗北→謎のライバル登場と、まだまだ序章の域です。
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プシュケの涙 柴村仁

2009年01月13日 21:50

プシュケの涙

「導き出した真実は、残酷なまでに切なく、身を滅ぼすほどに愛しい」
少女は何故自殺したのか。
一人はそれを否定するため、一人はそれを真実にするため共に自殺の謎を追う。
「我が家のお稲荷さま。」でお馴染み柴村仁さんが送る悲恋の物語、「プシュケの涙」の発売です。

「我が家のお稲荷さま。」はもう出ないのか。
新シリーズ「ぜふぁがるど」の続編はどうした。
などと野暮な事も考えはしましたが、柴村仁さんの約1年ぶりの新刊です。まず買ってみて一読し、内容を吟味し、然る後に評価しましょう。

まずは表紙をご覧ください。
手を繋ぐ2人の人物。背中から落ちていく少女と、頭から落ちていく少年。彼らは暖色系の色に瞬くような光で塗られています。ほんのりと暖かみのある、希望、もしくは恋心のような想いが見て取れます。
その背景には、白地に淡い配色で重ねられた寒色系の蝶達。表紙右にはこれも寒色系で書かれたタイトル、その中の「涙」の字も手伝い、全体的に寂しい・切ない感じが現れています。

これだけでも悲劇の結末が予測されます。しかし、人物中に見る暖かみから、悲劇の内の幸福も見ることが出来ます。

心して読みましょう。
じわじわきます。
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