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涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 2 原作 谷川流/漫画 ぷよ

2008年12月22日 23:59

涼宮ハルヒちゃんの憂鬱_2

「…なんという神シナリオ」
キョンから与えられたウサギのヘッドホンは未だ健在、「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」2巻のご紹介。
12/26発売かと思ってたらもう出てました。

1巻の感想はこちらからどうぞ。

えれっと氏の「にょろーん ちゅるやさん」とともにYouTubeでのアニメ配信が企画進行中の本作。
白地の中央にキャラだけが描かれ一言、という一見地味な表紙ですが、これがなんとも人を惹き付ける魅力がある。それはポツリと漏らした言葉のセンスがずば抜けているためです。

こういうの、なんか他でも見覚えあるなぁ、と思ったら、



これか。


だからどうしたというわけではないのですが、なんとなく思い出しました。
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鴨川ホルモー 1 原作 万城目学/漫画 渡会けいじ

2008年12月18日 22:19

鴨川ホルモー_漫画


 みなさんは『ホルモー』という言葉をご存知か。
 『ホルモン』ではなく『ホルモー』。

原作読了より遅れる事40日、漫画版「鴨川ホルモー」をご紹介。
原作版の感想についてはこちら
ちなみに続編「ホルモー六景」は未読。見つかりません。

ストーリーについては原作感想で述べましたので、多くは語りますまい。
漫画版は原作にほとんど忠実。1巻では「宵山協定」の解除を向かえ、訝りながらも鬼語を学び、"吉田代替わりの義"を以って「オニ」を目の当たりにするまでを描いています。
もちろん"吉田代替わりの義"について説明する事はしません。女人禁制の神聖な儀式についておいそれと口にすることが憚れるためです。気になる人は買って読むしかないのです。

いやー、それにしても絵が可愛い。女性の可愛らしさがこれでもかと描き表されています。
特に我らが楠木ふみ(表紙の娘)。
誰だ大木凡人だの光浦靖子だの言う奴は。高村か。高村だな。帰国子女の癖に余計な知識をつけおって。凡ちゃんに謝れ!

「黙れ、安部」

凡ちゃん超キュート。
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涼宮ハルヒちゃんの憂鬱 1 原作 谷川流/漫画 ぷよ

2008年12月05日 23:59

涼宮ハルヒちゃんの憂鬱_1

「はっ 今ならでっかい事できる気がする!!」
表紙から既にどこか魅惑的な「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」1巻のご紹介。
2巻発売が今月26日(2008年12月26日)なのでそれに先んじて。

作者に「小説もこういう感じにすればよかった」と言わしめた公式ギャグ漫画。2次創作と侮る無かれ、本家小説の手を離れ、なんともキャラ立ちしている本作。「ハルヒは頭が良い」という設定はどこへやら。なんだか頭の弱い愉快な女の子になっています。

「このままワサワサ動いてやるー」
「ユー被っちゃいなよ似合うってきっと」
「そういうお前は父さんだ!」

うん、まあ、原作でもやや抜けてるとことかあるしね、うん。
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未来日記 7 えすのサカエ

2008年11月23日 23:59

未来日記_7

むかーしむかし、今の小学生達には「なんじゃそりゃ」な時代。
TBS系列で「ウンナンのホントコ!」なるバラエティ番組がありました。
その中のコーナーの一つに、"予め行動予定を書いた日記を見て、男女二人がその通り行動し、最終的に恋に落ちるかどうか"を見るというものがありまして。
これがまあ、なんとも背筋がむず痒くなるベタな恋愛。わー、こそばゆい。

そのコーナーの名前が「未来日記」。

それから数年。本屋の一角で見かけた本の名前が「未来日記」。わー、懐かしい。
1巻表紙を見ると可愛らしい女の子が。ははぁ、これがヒロインか。その後ろで携帯弄ってるのがヒーローか。はて、背後のシルエットがずいぶん人影が多いなぁ。

と、思って80%の懐かしさで購入し始めた本作。
読んでびっくり。全然違うでやんの。SFですやん。


主人公である少年・天野雪輝は友達が居らず、周囲の事を携帯電話に打って日記をつけるだけの毎日を過ごしていた。そして妄想の中で神様ととりとめも無い会話をしていた彼に、ある日「未来日記」というその名の通り未来の出来事を知る事の出来る力を手に入れる。
同じ力を持つ者は12人。彼らは神の座をかけて命がけの戦いに身を投じることとなる。
雪輝もその一人。半ば無理やり参加させられた彼であったが、彼には可愛くて頼もしい協力者がいた。
協力者の名前は我妻由乃。2番目の未来日記所有者である。頭が良く行動力もある彼女に幾度となく助けられる雪輝。
しかし、由乃は雪輝を愛する余り盗聴やストーカーを繰り返し、周囲に被害を及ぼしても雪輝を独占しようとする超ド級の異常者でもあった。

うーん、やっぱり期待と全然違う。
ところがこれが面白くて、買い続けるうちに7巻発売です。
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夜は短し歩けよ乙女 1~3 原作 森見登美彦/漫画 琴音らんまる

2008年11月21日 23:59

夜は短し歩けよ乙女_m1

原作感想から一日開きましたが、今回は漫画版「夜は短し歩けよ乙女」の感想です。
原作感想を未読の方はこちらもどうぞ。

はてさて、原作レビューの方でもちらと書きましたが、漫画版の乙女の容姿の、まあ可愛らしい事。

「可愛すぎる。これは問題である。しかしながら、可愛いことは良いことである」

とは第1集後書きとして寄せられた森見登美彦氏の言葉。
目は大きくてくりくりとしている、疑いを知らぬ純真な眼差し。短めの黒髪は艶やかに陽光を返す。背はやや低めか。姿勢良く背を伸ばし、歩く姿も座る姿も様になっている。
その彼女が、ことある毎に嬉しそうに笑うのである。好きな酒で喉を潤しては顔を赤らめにこりと微笑む。そして、不思議な事あらば胸を躍らせたり、阿呆のように口を開いてぽかんとする。時には困ったような顔をして大きな瞳をまんまるに開く。
ころころと移り変わる豊かな表情。そのどれもが愛らしい。
いやはや、然り、「可愛いことは良いことである」。実に良いことである。
そんな可愛らしさに触れて、陥落してしまった男がいる。

 好きな人が出来ました
 なんと愛らしい表情 愛らしい仕草
「これが…恋――!」
 なんと甘美な

世に言う一目惚れなるものに不意に出くわしてしまった先輩こと「私」は、彼女と良い関係になるため声をかけようとするのだが、思いと裏腹に体は動かず、なにやら名前も覚えてもらえないままストーカーよろしく彼女の姿を追いかけるのであった。

「私」頑張れ。
「私」超頑張れ。

かいつまんで言うと、そういう話。
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日常 1~3 あらゐけいいち

2008年10月22日 23:00

nitijyou

日常。それは平凡な毎日。変わらぬ平凡な日々。
少なくとも自分の日常で教室に鹿がいたことはなかったがな!

そんな、通常の日常から5,6歩外れた場所にあるのがあらゐけいいち氏の作品「日常」。少年エースにて絶賛連載中。
「日常」とか言う割に不条理なギャグ漫画。なんというか、評価に困る。

相生裕子:ツッコミ。挨拶は「スラマッパギ」。愛称はゆっこ。本当はボケたい。素で馬鹿。
長野原みお:驚き役。常識人と思ってたら変な設定でるわでるわ。笹原先輩LOVE。
水上麻衣:無口でメガネなツッコミ容姿の癖にボケ。切れ味の鋭さは他の追随を許さない。

上記3名がメイン。多分。
その他にロボと博士と猫のトリオ、笹原先輩と立花みさとの過激ツッコミコンビなどがいる。

1巻の表紙を捲れば、初っ端から背中にネジ回し背負った女子高生ロボ・東雲なの。曲がり角で人とぶつかった拍子にこけしや赤ベコやシャケやロケットパンチを繰り出してしまうおっちょこちょいの彼女は、どう見ても幼女な博士につけられた変てこギミックで盛り沢山。
右腕には豆鉄砲、左腕にはちくわを装備。左腕の肘にはロールケーキ内臓、おでこからは甘食が格納されている。味も分かるし痛覚もある。ちなみに背中のネジ回しを回すと左足の親指が飛ぶ(USB端子)。
全部その時限りの設定かと思ったらちゃんと話が進んでも残ってるし。

何を言ってるか分からなくなったら、一旦深呼吸して落ち着いてください。
こっちだってどこをどう評価したらいいのか分からない。
ただ、センスに溢れているのは間違いない。
そんじょそこらのインコを捕まえて、

「コノカラダニモ ダイブ ナレテキタゾ」

なんて言葉覚えさせるとは。脱帽だ。

1巻はまだいい。まだ耐えられる。しかし、2巻を書店で立ち読みするのだけは辞めるんだ。
耐えられない!
特に25話でエレベーターに閉じ込められた3人娘と、27&28話で本気出した麻衣の猛攻撃。
吹きます。
噴出しは少ないけど、自分が噴出すぜ。


正直すまんかった。
「日常」の一部分を切り出して紹介しようとしても伝わらないこの噴出す面白さ。通して読まなきゃネタが成立しないのでどうにもこうにもレビューしにくい。
「そんなもん取り上げんなよ」と言うツッコミに対して、もう一度誤らせて欲しい。

正直すまんかった。

注)この漫画は上級者向けです。
  購入して読まれる方は覚悟なされよ。



螺子とランタン 桂明日香

2008年10月20日 23:58

螺子とランタン1螺子とランタン2

少年誌にて連載された少女漫画(っぽいもの)第2弾。
「BLOOD+」のコミック版や「ハニカム」の作者と言えばお分かりになるでしょうか。
分からない人はググろう。
ググるのが面倒な人はこちら
(桂明日香さんのホームページ[ad lib])

桂明日香さんのデビュー作にして傑作「螺子とランタン」をご紹介。
苦学生の家庭教師と侯爵家令嬢の心の交流を描いた物語です。
(カバー絵は2008年5月末より上図右に変更された様子)

スラム育ちだが、成長して実父である男爵の家に引き取られたニデル。学問に励み、持ち前の勤勉さから優秀な成績を残すが、その身の上故にスクールでの扱いは凄惨なものであった。
そこへ侯爵家令嬢・ココの語学講師として家庭教師に雇われた彼は、「学問で成り上がる」ことを目的に、ココを出世のため利用しようと目論む。
しかし実際侯爵家へと出向けば、教える相手は両親が事故で他界し、幼くして爵位を継いだ"女侯爵"。
親に甘えたい、まだまだ遊びたい盛りのココに対し、ニデルは心を乱し、不器用ながらつい甘やかしてしまうのであった。

ニデルはスラム育ちであることに劣等感を持っている。
ココは侯爵として振舞うことに自信がない。
大人と子供の差はあれど、二人はお互いの隙間を埋め合うようにして心を通わせていく。

傍目から見るとココが一方的にニデルに甘えているようにも見えるが、ニデルはニデルで確かにココのことを大切に思っている。
その二人の間に割り込んでくるのは、ニデルのスラム仲間で侯爵家の新米女給・ノラ。
そしてニデルの弟で男爵家正妻の長男・アーサー。

子供の頃からニデルを弟子扱いして引っ張りまわしてきたノラの登場により、ココは気が気でない。ニデルとノラには共有するたくさんの思い出があり、気安く慣れ親しむ二人を見てココは心取り乱すのであった。一方、ニデル大好きですっかり感情移入もし終わっているノラは、ぽっと出のココにニデルを取られたことで涙を流す。
そしてニデルに対抗するアーサーもまた、ニデルと同じく心臓の弱い己の体に劣等感を抱いていた。優秀で且つ健康な肉体を持ち、実父である男爵からも「爵位はニデルに継がせたい」と口にされている。その上でニデルに気遣われ、彼の劣等感は胸の奥まで染み渡っていた。何かにつけてニデルに因縁をつけ、対抗し妨害を企てるアーサー。


嫌われ役に甘んじるアーサーだが、嫌いになれる人物ではない。
憎まれ口しか叩かないものの、ニデルとココの仲が崩れそうになれば苦言の中に助言を混ぜる。自らの引き際を知り、周囲に憎まれたまま言い訳もせず潔く退場する。
さらに言えば、彼も物語の中で実らぬ恋に迷う一人であり、秘め続けるその態度に哀愁を覚える。
物語中で一番損な役割を与えられた彼を、憎めようはずもない。

もちろん、主要人物であるニデルとココの淡~い心の揺らぎこそこの物語の真骨頂である。
というか、無邪気なココが可愛い。
ニデルのために頑張って、褒められたら素直にうれしい。ニデルを人にとられれればやはり嫌な気持ちになる。ニデルになにかあれば心配する。
裏切られたと思って拒絶してしまうこともある。
それでも、最後に「大好き」な気持ちを捨てきれず、ココはニデルを抱きしめる。

子供らしくお馬鹿で、どこまでも邪気のない彼女に暗い悩みは払拭されてしまう。厳しい貴族社会の中に現れた清涼剤のような少女。彼女のおかげで、ニデルの心は救いを得た。それはココにとっても同様で、大切な人がいることで彼女は少しずつ成長していけるのだ。


蛇足かもしれないが、色眼鏡をかけて読み直すと、桂明日香作品は鍛え抜かれたフェチズムが醸し出されている気がする(それは英国ロマンスを描いた森薫さんの「エマ」とは別路線で)。
マニアックと言うか、一部の人の心を鷲掴むと言うか。しかもネタによって「一部」を指す方向が多岐に渡る。読んでいてニヤニヤ。そんな通好みのポイント満載。
一例としては、侯爵家の執事さん。
彼は寡黙で厳しく、冷静で優秀、隙がない。冷たい感じを読者に持たせる、典型的な"使用人"としての完璧な執事。
それは、風邪を引いたら紅茶にジャムを入れて気遣うような、自嘲に一言感想を応え心の傷に薬を塗るような。飴と鞭を使い分け、調整と矯正を加えるそのさり気無さ。そこまでを含めての、完璧な執事。


1冊完結の作品ながら、その1冊に桂明日香作品の魅力が凝縮されている1品。
心に残って読み返したくなる。
読み返してまた面白いと感じる。
正に傑作です。