--年--月--日 --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「手を伸ばしても無駄なこと」 魍魎の揺りかご 1 三部けい

2010年08月28日 00:44

魍魎の揺りかご_1

殺人鬼が追ってくる。
殺人鬼は致命傷をもものともしない。
殺人鬼は感染する。
生き残れる者はわずか。

量産される殺人鬼から逃れるスプラッターホラー「魍魎の揺りかご」1巻の感想です。


作者の三部けい先生と掲載誌であるヤングガンガンの組み合わせで思い出すのは、連載終了の記憶も新しい孤島ミステリー「鬼燈の島」です。
子供達の妄想が恐怖を生み出した物語の終了からおおよそ一年。
次なる物語は、転覆した客船というまたもクローズドサークルが舞台です。
ただし、今度の敵は妄想ではありません。はっきりとそこに存在し迫り来る恐怖、殺人鬼。

時系列的には前作「鬼燈の島」の10数年後のようで、盲目の少女・鈴原夢の成長した姿が見られます。
立派に成長したなぁ――と感慨深く思う暇もなくえらいこっちゃですよ。

以下、考察(というか感想というか)です。
[ 続きを読む ]
スポンサーサイト

「咲いた鬼燈に真実を語る」 鬼燈の島 4 三部けい

2009年09月27日 23:59

鬼燈の島_4

全ての謎に決着をつけ子供と大人の戦いが終わる。
生き残りをかけた孤島ミステリー「鬼燈の島」最終4巻の感想です。

1,2巻の感想はこちらから。
3巻の感想はこちらから。

表紙を飾るのは幽霊少女。
元々は1巻・幽霊少女、2巻・初音、3巻・雪乃ときて最終巻を飾るのは夢になる予定だったそうですが、「単体だと画にならない」ということでお流れ。
黒地に浮かぶ幽霊の絵がホラー色を強めています。が、本作はミステリーですので、ホラーではないです。

問題なのはカバー裏表紙。
学園の隠し部屋に刻まれた無数の叫び「助けて」「やめて」「殺さないで」「死にたくない」「お母さん」。
その中央に一際濃く刻まれた文字。

「オレハ殺ッテナイ」

第二十三話のタイトルでもあるこの言葉。
まさか伏線になっているとは夢にも思いもしませんでした。

強引な解ではありましたが、それでも最後まで悟る事のなかった伏線の数々。
読み返すと「なるほど」と思える細かい描写。
正に傑作でした。

では、以下感想です。
[ 続きを読む ]

「色んな意味でパーフェクトだ!!」 鬼燈の島 3 三部けい

2009年05月23日 23:59

鬼燈の島_3

ヤングガンガンにて好評連載中の孤島ミステリー。
不信感と人死にを切っ掛けに大人対子供の生死をかけた戦いが始まった。果たして子供達は生きて島を出られるのか。
「鬼燈の島」3巻の発売です。

1,2巻の感想はこちらから。

レビュータイトル「色んな意味でパーフェクトだ!!」は、巻末に収録されたヤングガンガン増刊号での読切「クワダテ中学生」より、桑館少年の決め台詞。
お前は子供の頃からそんなんなんかい。
懲りない男、桑館。いまいち愛せないお馬鹿さん。

名前の通り「くわだてる」ことが好きなようですが、それにしちゃ行き当たりばったり。短気な性格も災いしての自滅っぷりが、もう、狙ってるとしか思えません。

シリアスストーリーの後にこのどうしようもない話が置かれたものだから、本編の深刻さがすっかり喰われてしまいました。
おそるべし桑館。
恐るべし中二病。

一方で本編の深刻さはえらいこっちゃの展開です。
[ 続きを読む ]

「鳴く飼い犬には餌をやる」 WORKING!! 6 高津カリノ

2009年03月30日 23:38

WORKING_6.jpg

初手から躓いたせいで個性的な(変な人ともいう)ばかりが集まったファミレス・ワグナリアで展開される騒動。危なっかしいけど癖になる「WORKING!!」6巻の発売です。

主人公・小鳥遊宗太は大きいものに怯え小さいものを好む変態である。最近では幼い頃より続けてきた女装趣味に加え、同僚・伊波まひるに加えられる理不尽な暴力に被虐嗜好を開花させられ、彼女無しでは物足りなくなった自分に愕然とする毎日。更には兄思いのヤンデレ妹からも密かな攻撃性を向けられ始めている。唯一の心の拠り所であった小さな先輩こと種島ぽぷらからも歪んだ好意を向けられ、着せ替え人形のように扱われ始めた昨今。
彼に安寧の日は訪れるのか。今なら小姑4人付き。

ふざけて書いたつもりが意外と事実からかけ離れていませんね。
そんな変態・小鳥遊と人間凶器・伊波の恋愛模様に新たな転機が訪れたのでした。
きっかけは表紙に写る3人目。背中を向けている彼の存在です。
[ 続きを読む ]

BAMBOO BLADE 10 土塚理弘/五十嵐あぐり

2009年01月28日 23:08

BAMBOO_BLADE_10.jpg

ギャグ漫画かと思えばシリアスに、シリアスかと思えばコメディーに、コメディーかと思えば今巻はなんだかカオスな世界に引きずり込まれました。剣道漫画「BAMBOO BLADE」10巻の発売です。

9巻の感想はこちらから。

今巻は頭からやってくれました。
前巻の鎌崎高校剣道部戦を振り返り、「いつもと違ってコジロー先生が格好良かった」とサヤが言えば、

「そんな事ないよ
 コジロー先生は前からああだよ」

と、女房役のキリノがすかさず返答。満面の笑顔ですね。
本気のコジローが戻ってきた事が余程嬉しかったと見える。

更に、調理実習でオレンジタルトを作れば、コジローの顔を思い出し、

「後で持ってってやりますか(はァ~ やれやれ)」


逆にTVを見ながらアイドルの話になり、自分もあんなふうに可愛くなりたいとキリノが漏らせば、

「何言ってんだキリノ! 十分お前もかわいいぞ!」
「本当!? コジロー先生」
「ああ とてもかわいいぞ」

お前らもう結婚しちゃえよバカップル.


個人的に大満足。お腹一杯です。
決して2人はそういう関係じゃないんですがね。残念ながら。
[ 続きを読む ]

鬼燈の島 1~2 三部けい

2008年12月07日 21:58

鬼燈の島_1鬼燈の島_2

ヤングガンガン連載作品、サバイバル、サスペンス、ホラー……いいえ、本作はミステリーです。
表題である鬼燈の島には謎がある。子供達はその謎を解き、生き残る事ができるのか。
「大人の言うことを信じるな」
三部けい作、「鬼燈の島」をご紹介。

作者の三部けい氏といえば、少年エースにて山田悠介原作の「パズル」を連載中。また、有名所では瓦敬助名義で「菜々子さん的な日常」を描いていました。
特に「菜々子さん的な日常」は成年誌掲載作でしたが、直接的な行為は無く、コメディータッチで愉快なエロスを展開していました。読んでて楽しくなる作品。エロ目的では使えませんが、読めば多数の人が「面白い」と感じる人気作です。

さて、では「鬼燈の島」はどうかと言えば、シリアスもシリアス。大分暗くて恐ろしい話です。
無力な子供達。
閉ざされた孤島。
襲いくる大人達。
そして、時折現れる幽霊の女の子。

子供達の目から見た、恐ろしい大人達の話。
疑心暗鬼に捕らわれぬよう、気をつけなくてはいけません。
[ 続きを読む ]

マンガ家さんとアシスタントさんと 1 ヒロユキ

2008年10月30日 21:56

漫画アシ

ある人は言いました。
 「タイトルが長い」
ある人は言いました。
 「そのまんますぎ」
ある人は言いました。
 「センスがないよね」

そんな各地で大絶賛(?)のギャグ漫画「マンガ家さんとアシスタントさん」。
この作品は中二程度の妄想を過分に含みます。ご使用の際は専門家の指示に従い、読みすぎにご注意ください。
また、一度読むと「変態漫画だ!」と先入観を持ってしまいますが、直接的エロス成分は少な目となっております。主に主人公が変態なのでそう感じるだけです。

比べちゃ駄目なのは分かっているのですが、小学館の炎的なアレや、集英社の漫画家目指してます的なソレと見比べると「ちょっと頭冷やそうか」と表へ連れ出したくなる作品です。
[ 続きを読む ]

BAMBOO BLADE ⑨ 土塚理弘/五十嵐あぐり

2008年09月29日 23:56

BAMBOOは竹。
BLADEは刀。
合わせて「竹刀」、で、剣道漫画・BAMBOO BLADE。
アニメ化もしたので知ってる人も多いかと。

原作者の土塚理弘さんは「清村くんと杉小路くん」シリーズのイメージが強すぎてぶっ飛んだギャグ漫画のイメージが強かったのですが、読んでみるとはっちゃけたギャグ漫画だったという、微妙に路線が変わった感じ。その辺は作画の五十嵐あぐりさんの力でしょう。そういうことにしておく。

剣道の天才・川添珠姫(通称タマちゃん)を中心にずぼらな教師・石田虎侍(通称コジロー)率いる剣道部が展開する学園ギャグコメディー。
読んでて気になるのはコジローと剣道部部長・千葉紀梨乃との関係。1巻からそれっぽい関係を匂わせつつ、9巻現在になっても一切進展なし。

と、いうわけでその辺気になって買い続けてた本作ですが、この巻だけは買わねばなるまい、と雑誌掲載時から決めていました。
以下、今巻のネタバレ満載ですがあえて反転しません。

コジローの学生時代からの先輩・石橋賢三郎率いる鎌崎高校剣道部との男女混合七人制試合。
鎌崎高校剣道部の部員達は誰もがやる気が無く、勝ちを求めず、期待もせず期待もされず。だらだらと惰性で剣道部員を続けているだけの状態であった。
元々は石橋がそんな部員たちにやる気を出させるため設けた試合であったが、1敗、2敗と敗北を重ね続け、遂には通常の試合ではありえない6連敗を喫することで思惑通りの苛立ちを募らせる。
必死になるのは格好悪い、そんなスタンスの鎌崎高校剣道部部長・岩堀猛は、その状況の中、大将戦にて珠姫と剣を交える。
しかし、あっさりと胴を取られた岩堀は「面紐が緩んでいた」と取り直しを申し出る。
続き取られた一本に対しては「胴紐がほどけていた」。仲間の部員ですら訝しがる露骨な手段で再戦を申し出た岩堀だが、3敗目にして「手首の返しが違った」と素振りを始める。珠姫の圧倒的な強さに負け続けるが、何度も立ち上がり、反省し、立ち向かい、また敗れる。

「違う…  違う!! 違うんだ!! 俺は…
 こんなもんじゃねぇんだよ!! 本当はもっとやれるんだよ!! 本当はもっと強ェんだよ!! もっと速ェんだよ!! ちくしょオ!! もっともっと凄ェんだよ俺は!! 本当だ!! 知ってんだろ!!?
 思ったように竹刀が…竹刀が動いてくれねェんだよ!! 脚が!! 腕が!! 本気でやれば強ェのに!! 動いてくれねえんだよ!!」


試合に負けて、岩堀は剣道部を辞める。言い訳をして、惰性で続けていた剣道を漸く手放し、岩堀は「本気の剣道」を始めるために道場へ戻る。

必死な人間は格好良い。
真剣な人間は格好良い。

最後の最後、岩堀猛は格好良かった。






上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。