作者の高嶋ひろみ先生と言えば、「未満恋愛」でもっさりした中年と中学生少女との恋愛を描き話題となりました。また、「高嶋ひろみ」名義ではあまり作品が出ていませんが、「南京ぐれ子」名義は本屋でちらほら目にした方もいるかと思います。
登場人物全員が天然でいい人。悪いこと考える要素がみじんも感じられません。
まずは主人公、田辺広志。23歳会社員。
会社人としての実力は並よりもやや劣るようですが、持ち前の明るさで今日も楽しく生きてます。
先輩の彼女から友達を紹介してもらったことをきっかけにかわいい彼女と交際中。
けれどバイトが趣味の彼女はいつも家を空けているので、彼女の妹やペット、妹の友達なんかとばかり遊んでいます。
ただ、年の差を感じさせないほど彼も同レベルにお子様のようで、充実した毎日を送っています。
そしてあまり出番のない彼女の名前は日々野ななみ。大学生。
お嬢様然とした容姿に天然でのんびりした性格。うだつの上がらない主人公がどえらい高嶺の花を手に入れました。
が、探検家の両親譲りで好奇心旺盛らしく、趣味のバイトであちらこちらへ大忙し。楽しんで働いていますが、おかげで広志と会う機会は少ないです。
それでも両思いなのがほほえましいです。照れてる顔とか、凄くかわいい。
続いて正ヒロインよりも出番が多い彼女の妹、ポンちゃん。小学2年生。
いつもポンチョを身にまとい、首からは大きなネックレスを下げています。
良くも悪くもお子様で警戒心が薄いのですが、広志のことは最初からいたくお気に召したご様子。お姉ちゃんの不在時に訪ねてきた広志と一緒にお留守番したり外で遊んだりしています。
同級生にアキラちゃんというボーイッシュな子がおり、よく一緒になって遊んでいます。
また、ペットのトメ吉(ネコ)やカメ(ゾウガメかな?)とは大の仲良し。一緒に海や映画に行ったりもします。
あと、おバカです。
そして主人公の会社の先輩。
公私に渡っての良き先輩ではありますが、こちらも彼女さんとはすれ違いが多い模様。広志をダブルデートに誘っては、お互いの彼女が捕まらずに男二人+お子様連れで遊びに行きます。
この人あっての今の生活。面倒見の良さは折り紙付きです。
話の中で滅多に巡り会わない(回想や妄想では割と会っている)広志とななみですが、やはりこの彼女がピカイチでかわいい。
訪ねてきた主人公が帰った頃に帰宅するななみ、というタイミングの悪さですが、家に残されたお土産などの広志の形跡に大喜び。
花をもらったと聞いては喜び、妹が撮った広志の写真に喜び、送られた水着姿の広志の写メに興奮し、広志が風邪と聞いては大騒ぎ、バレンタインデーにはお目当てのチョコレートが手に入らずにがっかり、お内裏様を見て広志との結婚を妄想。
大変だ、この娘、広志のこと凄い大好きだ!
ツーショットが少ないのに、端から見てても大変お似合いのカップルです。どこからどう見ても恥ずかしいくらいのラブラブ。
そんな彼女の魅力の一つは、普段とバイト時のギャップ。
ヒーローものがお好きなようで、敵役のやられる演技やヒーローの変身ポーズなどは完璧。しかもノリノリ。
大工系の肉体労働に従事した際はなんだか男らしくもあり。
「日本一―――
やってみねえかい?
若いの…」
「日本一…!
いいですね 棟梁(おやっ)さん!!
ガテン系の衣装でそんなこと言っちゃうもんだから、うっかり惚れてしまいそうです。
なのに普段は清楚なお嬢さん。このギャップには降参です。
ウブ同士のニヤニヤしたくなる恋模様は「未満恋愛」読者ならお分かり頂けるはず。
2巻では是非、電話越しでない広志とななみの対話を見てみたいです。